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Emerging Markets記事 「ロシア サハリンプロジェクトに憤慨」


「ロシア サハリンプロジェクトに憤慨」
シェルの事業費見積もりをロシア高官が非難

2004年4月19日
Emerging Markets記事
by Simon Pirani


 ロシアのユーリ・イサエフ経済副大臣は昨日、サハリン極東でのサハリンII事業の費用超過について「深刻な懸念」を表明し、ロイヤルダッチシェルに新たな頭痛の種をもたらした。

 現在の形でのプロジェクト継続へ反対する人々には、懸念を挙げるべく火曜日にジェーン・レムリー欧州復興開発銀行総裁に会うことになっている環境NGOや、サハリンの多くの契約が海外の競合企業にとられていると主張するサハリンの政治家やロシア企業も含まれている。

 プロジェクトは天然ガスを生産・液化し、アジア太平洋地域の市場に輸出するもので、ロシア政府との生産分与協定のもとで行われている。常に投資が難しいといわれ、その額は100億ドルと見積もられる、世界でも例を見ない巨大な出資である。その上、2週間前、シェルの事業費全体の見積もりが120億ドルから130億ドルにひきあがったことが大きく報道されたため、ロシア連邦高官の間で怒りを買っている。

 「我々はこれまでにも費用の継続的な引き上げについて問題を提起してきた」とイサエフ氏は「イマージング・マーケット」のインタビューで述べている。「これは明らかに我々の利益に影響する。我々は予測されるすべての結果について完全に明らかにされない限り、予算を承認するつもりはない。5年前、ロシアの省庁はおそらくこの問題をよく考えずに承認してしまったのだろう。今や状況は変化している。我々はより多くの情報を必要としている。」

 これらの問題は、今月末に行われるロシア連邦及びサハリン州の役人とサハリンエナジー社(シェルが55%出資するプロジェクト会社)との定期会合の場で提起されると予想される。

 シェルの広報担当者は、具体的な費用については言及せず、「このような規模と複雑性を有する事業においては、常に予期できない事態が存在する。第二期の予算は、最初の5年間の大規模な建設をも超える膨大な事業の費用を含んでいる。」と述べた。

 イサエフ氏は、「(ロシア政府はまた)建設工事やその他の契約におけるロシア企業の割合の問題についても、我々のパートナー(サハリンエナジー社)に強く要求するだろう」と述べている。

 売買契約の割合は80%と規定されているが、ロシア議会議員や建設会社は、実際はもっと低いと主張する。先週、15のロシア企業がプーチン首相に対して、実際の割合はたったの6%だと主張するレターを送った。

 事業をめぐる政治的リスクにより、第一期の主要な出資者であった欧州復興開発銀行とその他の多国間機関が、さらに大規模な第二期についても融資することが不可欠となっている。

 しかし、欧州復興開発銀行は環境影響評価が「不適切」であると判断し、サハリンエナジーがこれを改定するまでの間、融資について全ての決定を延期している。

 環境活動家は、この事態が彼らの懸念を強調する機会への糸口となるとみている。サハリン環境ウォッチ代表のディミトリ・リシティン氏は、「イマージング・マーケット」に対して以下のように語った。「この事業はますます不愉快な臭いを漂わせてきている。シェルは膨大な量の文書を出しているが、根本的に何も変わっていない。サハリンエナジー社は依然として国際基準に違反し続けている。このような状況のもとで欧州復興開発銀行は融資に参加すべきではないと、我々は確信している。」

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