国際協力銀行(JBIC)の海外経済協力業務(ODAのうち円借款部門)は、2008年
10月をもって国際協力機構(JICA)に統合されることになりました。これにより、 両組織が現在それぞれ持っている環境社会配慮ガイドライン(環境ガイドライン)
も統合・改訂が必要となります。
そこで、2008年2月より、新JICAガイドライン改訂に係る有識者委員会が開催さ
れており、FoE JapanもNGO委員として、改訂の議論に参加しています。
このガイドラインの統合・改訂に先立ち、JBIC及びJICAは、ガイドラインが過去
どのように運用されてきたのかに関する調査を実施しました。この調査は、今後 ガイドラインの改訂に当たって、改訂のポイントや方向性を検討する材料として、
非常に重要なものです。
しかしながら、同調査の内容や方法に関しては、様々な問題があります。
例えば、
@ガイドラインの改訂に資するような課題が導き出されていない
A調査手法については、現地調査を実施しておらず机上調査のみであった
B調査の結論において「適切に」運用されていたことが述べられているものの、
根拠については記述されていない
また、新JICAガイドライン改訂に係る有識者委員会でも同趣旨の問題点が指摘されました。さらに、JICAについては、JICAが同調査を委託したコンサルタントが日本公営であることが明らかになりました。日本公営は、JICAの業務を多く請け負っている企業であり、その企業が自らのガイドラインの運用状況を確認することは、客観性を欠いており、調査の中立性の観点からも不適切でした。
4月1日、FoE Japanは、他NGOと連名で同調査について、追加調査の要請書をJBIC
に提出しました
→要請書はこちら
その後、JBICとJICAは、共に追加調査(現地調査を含む)を実施することを決定しました。6月中には追加調査の結果が公表されることになっていますが、FoEJapanは、この追加調査によってガイドラインの改訂に資するような論点が導き出されるよう期待しています。
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