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IFC環境社会配慮に関するパフォーマンス・スタンダード
2006年5月
2004年から行われてきた国際金融公社(IFC)の政策改訂作業の結果、新しい環境社会配慮政策「パフォーマンススタンダード(Performace Standardas)」及び「情報公開政策」が、2月21日に理事会で承認され、4月30日より施行されています。
パフォーマンススタンダードの基準に関しては、新しく社会的な側面を取り入れた点や、プロジェクトサイクルを通じての継続的なアプローチを導入した点、また多様で取り返しのつかない、あるいは前例のない著しい影響のあるプロジェクトの場合、モニタリング情報を立証するために、外部専門家を雇用することを盛り込みモニタリングの強化を図った点などが評価されます。
しかしながら、セーフガード政策と比較すると、依然として以下のような懸念が残ります。
前政策に盛り込まれていた「第三者による環境影響評価の実施(重大な影響がある事業)」という要件が「外部の専門家を雇うこともある」となり弱まった。
情報公開が環境社会評価のプロセス中、継続して行われることが求められているものの、環境社会影響報告書の準備書(ドラフト)が公開されるかどうか明確でない。(日本の環境アセス法、その他国際協力銀行や国際協力事業団の政策には明記)
影響への対策が書かれる「行動計画(Action Plan)」のドラフトについても公開されることが求められていない。
協議の開始時期についてパフォーマンススタンダードには「協議は環境影響評価プロセスの早期段階に始められるべき」とある一方、それを補完する(理事会承認文書でない)ガイダンスノートにおいては、より明確に「多くの場合、コンサルテーションは影響の最初の範囲選定段階の後、社会・環境評価プロセスの早期段階から実施」とある。具体的な開始時期が明確でない。
被影響住民の「生活水準の改善又は少なくとも回復」が、土地収用による身体的移転及び経済的移転に限定されており、全ての影響住民に保証されていないこと。
モニタリング報告書が公開されないこと(ADBの政策では記載されている)
パフォーマンススタンダードの本文はこちら
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https://www.ifc.org/ifcext/enviro.nsf/Content/PerformanceStandards