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RWESA-J ダムセミナーのご案内 『日本と東南アジアのダム:改めてその必要性を問う』 |
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大型ダムのもたらす多大な便益という神話から、これまで大型ダムの建設が世界中で行われてきました。しかし、大型ダムはその建設によって人類の発展に重要で有意義な貢献をしてきた面もある一方、移転を強いられた住民、下流の地域社会、納税者、自然環境など、特に社会・環境面において容認できない不必要な代償払ってきました。
今回のセミナーの第一部では、現在国内外で取り組まれているダムの問題の事例を紹介します。第一部の八ッ場ダムに関しては事業の必要性と莫大なコストの問題、ケラウダムに関しては事業の必要性と政府開発援助(ODA)関する問題、ナムトゥン2ダムに関しては世界銀行が掲げる「貧困削減と環境保護」に関する問題を中心に提起します。第二部では、第一部の問題提議をうけ国内ダム問題と海外での援助によるダム問題の接点を皆さんと一緒に探り、共闘の道を探りたいと思います。
◆ 当日のプログラム(仮):
第1部 日本と東南アジアの実例
1.八ツ場ダム(仮題) [発表者]水源連 嶋津 暉之
2.ケラウダム(仮題) [発表者]FoE-Japan 波多江
3.ナムトゥン2ダム(仮題)[発表者]メコン・ウォッチ 松本
4.質疑応答(10分)
5.国際会議 Rivers For Life(タイ:11月)の報告(スライドショー)[発表者]水源連 氏家
第2部
ミニ討論会ー公共事業としてのダム、援助としてのダムー 実例をもとに皆さんと発表者と一緒に国内のダム問題と援助のダム問題の差異と共通点を探り、共闘の可能性を議論する。
◆RWESA-Jの紹介
"Rivers Watch East & Southeast Asia " (RWESA/東・東南アジア河川ウォッチ:ルイサ) は、このような破壊的な河川開発を阻止するための東アジア、東南アジアのNGO、市民団体の約35の団体が構成するネットワークで、2000年7月に誕生しました。日本からは水源開発問題全国連絡会(水源連)、メコン・ウォッチ、FoE Japanが参加し、この国際的なNGOネットワークに対応する日本の窓口として、RWESA-Jが設立されました。
◆各ダム問題の概要
●八ッ場ダムとは?
1970年度に国の事業に採択された、利根川水系吾妻川に計画された有効貯水容量9000万トンの多目的ダム。
しかし、八ッ場ダムは様々な問題をはらんでいる。まず、ここ10年間頭打ちの状況である首都圏の水需要や利根川の治水の面からみた場合、八ッ場ダムの必要性が希薄であること。また一方で事業費は、ダム事業費としては全国一である4,600億円という莫大な金額であること。さらに、吾妻渓谷の喪失など自然への大きな影響と、脆弱な地質を原因とする災害の危険性も懸念される。このような問題をうけ、最近では首都圏住民などが中心となった反対運動が広がりつつある。
●ケラウダムとは?
マレーシア・パハン州にあるケラウ川から首都クアラルンプールとそのベッドタウンであるセランゴール州へ一日23億リットルの水を導水する水供給事業の一環として建設される予定となっている。2003年3月、この事業に対し日本政府は、日本が政府開発援助(ODA)を開始して以来50年経つ中でプロジェクト借款の過去最高額となる約820億円を限度とする特別円借款をマレーシア政府に供与することを決定した。
しかし、そもそもこの事業はその必要性に関して疑問が提示されている。マレーシアは世界有数の降雨地帯であるにも関わらず水不足に陥った経験があるが、これは漏水や盗水が多いために、世界でも最大レベルの水消費量の数字を残している。つまり、マレーシア政府の不適切な水管理政策に拠る所が非常に大きい。また、ダム建設に伴う先住民族の立ち退き問題も起こっている。こうした問題が改善されることなく、現在、日・マレーシア両国の莫大な税金が費やされようとしている。
●ナムトゥン2ダムーダムによる貧困削減と環境保護??
東南アジアの内陸国のラオス中部を流れるメコン河支流のナムトゥン(トゥン川)に建設予定の巨大ダム。総事業費は10億米ドル、1080メガワットのうち大半を隣国タイに輸出して、電力立国を目指すものである。人口500万人のラオスにあって、5000人余りが立ち退きを余儀なくされ、数万人が漁業被害などを被る。
フランスとタイの企業が推し進め、日本が第2の出資国である世界銀行が支援を検討中だ。世界銀行は「ナムトゥン2ダムがラオスの貧困削減と環境保護に貢献する」と、批判の多いダム支援に新たな活路を見出そうとしている。しかし、建設資金が集まらないうちから、水没予定地の伐採が行われ、林産資源に依存した住民生活は破壊された。さらに、ダム計画があるために新たな地域振興策が打ち出されず、もはや住民たちはダムの補償に頼らざるをえない状況にある。こうした開発手法を『貧困削減』の名のもとに、日本政府や国際機関が認めようとしているのである。
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