資源開発の環境社会配慮
〜サハリンII石油・ガス開発現地視察報告〜
北海道より北42kmに位置するサハリンでは現在、サハリンI〜サハリン\まで、石油・天然ガス開発が計画されています。そのうち、現在稼動しているIとIIに、日本は投融資、開発、購入のいずれにも深く関与しています。
日本の国際協力銀行(JBIC)は第一期工事に1億1600万ドルの融資を行い、2003年より第二期工事への融資検討を行ってきましたが、今年6月16日、ついに市中銀行と共に、サハリンIIの事業主体であるサハリンエナジー社と、総額53億ドルの融資契約に調印したと発表しました。
これまで、サハリンIIでは、パイプライン工事中の環境破壊、油流出対策、絶滅危惧種の野生生物への影響、先住民族の生計手段喪失等の社会影響が指摘されており、未解決の問題も残されています。
FoE Japanは5月末〜6月初旬まで、パイプライン建設現場を訪れ、事業者による環境への配慮を欠いた工事を目の当たりにしました。現場の最新の写真などをお見せしながら、日本と深く関連する開発事業の環境社会配慮について一緒に考えてみませんか。
*サハリンIIとは*
ロシアのガスプロム、英・蘭ロイヤル・ダッチ・シェル、日本の三井物産、三菱商事が出資するサハリンエナジー社が事業主体。1999年から夏季の原油出荷を行っており、2009年初頃から通年生産を目指す。建設完了後は日量約15万バレルの原油と年間960万トンの液化天然ガス(LNG)を生産する予定で、主な出荷先は日本。