6月15日にロシア国内で報道された情報によると、ビキン川上・中流域に国立
公園を設立する目的でロシア自然科学アカデミーが援助を提案したことが公表
され、沿海地方北方先住民族協会、地域民族組合「ティーグル」の3者間で
合意が締結されました。
ロシア自然科学アカデミーのこの動きは、今年初めに起きたビキン川上流域の
ヴェルフネビキンスキー鳥獣保護区の伝統的経済用地が森林資源開発の
危機にさらされているという出来事を受けて起こりました。
ビキン川流域に居住する先住民族ウデヘの援助、その生活領域の安定的
発展、生物多様性の保護、伝統的経済活動の保護を目的とし、2005年9月
27日から10月10日の期間には、クラスヌィ・ヤール村において、ロシア天然資源
省、連邦議会、ロシア自然科学アカデミーなどの代表者が参加する会議が
行われる予定です。
FoE Japanは、長年に渡りこの地域で、違法伐採、密猟の防止、先住民族の
生活の保護を目的とした活動を行い、2000年からはエコツアーを実施し、ウデヘ
民族が居住する村の経済の安定を目ざしてきました。今回のこの動きにより
先住民の伝統的生活、生物多様性の観点からも重要である原生林が守られ
る可能性が出てきました。
ロシアタイガプログラム 佐々木勝教
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