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10月25日 樹木の学校「虫の視点でみる都市緑地」

どこにどんな虫が棲んでいるのか。これが環境を示す指標になるそうです。身近だったのに希少になってしまった種、外来種が好む場所はどんな環境なのか?指標となる虫の増減はどんな環境変化を意味するのか?
――虫の視点になって宇津木の森を見てみようと講習&フィールド観察を行いました。

参加者は総勢15人。あいにくの雨でしたが、小雨のなか観察もでき、参加者は満足そうでした。講師は岩崎哲也先生。アシスタントを、虫に詳しい中学生が務めてくれました。。目ざとく虫を見つけたのは子どもたち。岩崎先生も「子どもがいてよかった」と絶賛。視点が低いからよく見つけられるのです。

  この日みつけた生き物:
  アキアカネ、ショウリョウバッタモドキ、ツチイナゴ、ヒシバッタ、エンマコオロギ、クビキリ、セスジツユムシ、
  ウマオイ、オオカマキリ、 コカマキリ(緑・茶 色)、カネタタキ(音のみ)、ササキリ、ウマオイ、オンブバッタ、
  ヒメヨコバイの一種、ツヅレサセコオロギ、ツマグロオオヨコバイ、ババヤスデの一種、アブラゼミの脱け殻、
  ジョロウグモ、カナヘビ

ショウリョウバッタモドキは、平地ではわりと珍しいということです。触ったらとっても優しくて、こりゃ弱いわけだと思いました。

都内では、本当に身近な虫が絶滅していることに驚きました。「虫の声」という歌に出てくる虫(マツムシ、スズムシ、キリギリス、クツワムシ、 ウマオイ)は23区では絶滅(ウマオイはほぼ絶滅)とのこと・・・ バブルで大幅に都市化して、そして偏った緑化で身近な虫の住処は無くなってしまっ たようです。

都会ではセミが多いようですが、アブラゼミが減っているというのもびっくり。暑さに強いミンミンゼミが増えているようです。大きいアメンボもいなくなっているそうです。日陰の池が無くなっているのが原因だとか。気がついたら都会は、じめじめ、どろどろ、落ち葉、草ぼうぼう、を排除していたんです。

泥のところでしか卵を産めないトンボも減っています。エノキの落ち葉で越冬するゴマダラチョウも。かわりに人間が運んだアカホシゴマダラが増えています(同じエノキを食べるが、越冬は木の上でする)。アカホシゴマダラは宇津木でも確認されてます。

外来種も入っていますが、まだまだ宇津木は昔の日本の自然が残っているように思います。それでも、ものすごい勢いで生き物が絶滅しているようなので、宇津木も重要な緑地という認識になりました。いろいろな生き物が棲める=手を入れない ではなく、草刈りが重要だと思います。窪地は、ぽっかりできた草地にたくさん生き物がいました。ところどころ、遷移をとめて、古い草むらを作ったりしたいと思いました。

 
(レポート:岩谷 美苗)
 
午前中は室内レクチャー
雨のなかで虫探し
虫の解説をする岩崎先生
 
ショウリョウバッタモドキ
珍しいコカマキリの緑タイプ
カナヘビ
 
 
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