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島嶼国の、再生可能なエネルギーに対する新たな関心

(2003年8月3日 パラオ・コロール)

“太平洋の島々は自然に恵まれてはいるが、環境問題に対する取り組みが先進的に行われているわけではない。しかし今、そうした島々で再生可能エネルギー導入が進もうとしている。”

太平洋諸島電力協会(Pacific Power Association)の年次総会の席上で指導者達は、“石油を使用する従来型の火力発電所を、再生可能エネルギーと置き換えることにより、環境的なモデルを構築し、先進国に向けてアピールする”、との決定を発表した。

「いわゆるそれは、“自分たちにやれるなら、あなた達(先進国)も出来ない筈はない”と、自ら示す手法だ。」
ワシントンDCにある非営利環境団体「クライメートチェンジ(Climate Change)」で、再生可能エネルギーの使用を提唱するプロジェクトのリーダーであるトム・ローパー氏は、こう語る。

島嶼諸国の指導者達は、温室効果ガスの排出に触発された気候変動が、海岸線の洪水被害からさんご礁の破壊に至るまで、様々な環境悪化の主因になっていると主張している。しかしながら、自らを取り巻く環境を保護することだけを目的として、再生可能エネルギーの使用を進めている訳ではない。再生可能エネルギーの推進によって、地域経済の活力維持をも、同時に図ろうと努力しているのだ。

「我々のような乏しい財政からすれば大変な割合が、多くの場合、一国の歳入の46%にも上る莫大な金額が、高価な化石燃料輸入のために費やされている。」 トゥバル(Tuvalu)大使で、小島嶼国連合(Alliance of Smal Island States)副議長でもある、エニーレ・ソポアーゴ氏はコメントする。

また、「電力インフラのある場所からはるかに離れているために、まったく電力の供給を受けない、島嶼の70%にのぼる地域にとって、再生可能エネルギーの利用は唯一有効の電力調達方法となる。」と、ソポアーゴ氏は続ける。

そのことこそが、“いわゆる環境保護活動家ではなく、島嶼の小さな島々から来た実際の公共施設の管理者達に、いかにして太平洋諸島の電力行政を改善するかについて、自分たちで議論してもらう”という今回の会議の背景であった。
太平洋島嶼諸国でも時代は替わり、変革の兆しが現れている。
数年前までなら、再生可能エネルギーなど、会議で一顧だにされなかった筈だ。ところが先週、『持続可能な発展のための再生可能エネルギー』は会議の主要議題となったほどだから。

グアム電力公社(Guam Power Autholity)の役員も、同じく会議に参加した。

「先進国はゆっくりとではあるが、再生可能エネルギーを研究・開発しようとしている。しかし化石燃料の価格自体が随分と安留まりしているため、あまり進んでいない。」とローパー氏は言う。「かたや太平洋島嶼国では、化石燃料の輸送コストの問題が加わるため、再生可能エネルギーが徐々にでは有るが、石油等に取って代わる安価なエネルギーとして、選択肢の一つになりつつある。」と続けた。

しかしながら彼は、「このプロジェクトは慎重に推し進めなければいけない。」とも警告する。そして、「多く失敗を積み重ねるのみで、島民が二度と同じチャレンジを起こす気にもなれないような、単なる新しい技術開発のためだけの体よい実験台に、これら島嶼諸国をしてはならない。」とも助言している。
「島嶼諸国は、太陽光発電や風力発電、そして水力発電等、既に確立された技術を利用して、化石燃料の使用を段階的に廃止するべきだ。」と、彼は述べた。

(Pacific Daily News/PIR)

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