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コスラエ島のサンゴ礁:宝石はまだ輝いている

(2002年10月23日、コスラエ、ミクロネシア連邦)

サンゴ礁の健康度に関して言うと、コスラエ島はすばらしい。手付かずのままのうつくしさである。

これは"Reef Check"によって行われた5年間かけて作成された「海の熱帯雨林」(サンゴ礁)の国際レポートの一部のデータに基づき、世界の他1,100個所のサンゴ礁と比べた結果である。ここは科学者やボランティアを募り、雄大な生命を包み込んでいる世界の海洋の健全な状態を監視している調査団体である。

このレポートによってベリーズ、サウジアラビア、オーストラリアからフロリダまで、世界にある多くのサンゴ礁の健康状態が悪化していて、特に経済的、政治的に苦しい状態のインドネシアとフィリピンのサンゴ礁の状態は深刻に悪化している事が判明した。

また、このレポートはミクロネシア連邦(FSM)全体についても述べており、魚の捕獲のためにサンゴ礁の一部をダイナマイトや爆薬によって崩壊させる「爆破漁業」により、この地域のサンゴ礁が悪化していると述べた。

コスラエ島では爆破漁業は行われていないが、チューク島での漁業はこの方法を使用する事で有名である。

最近完成したこの毎年作成されるFSMのレポート、これはコスラエ島の選択された地域を対象に2週間かけた調査されたものである。調査のために選択されたのは、ウエテ, ワルング, タフンサック, レルである。

ヨーロッパとアメリカからの5人のボランティアがコスラエ・ビレッジ・リゾート(KVR)の保有者であるカトリナ・アダムズ氏、ピース・コープ・ボランティアのブレンダン・ハーライ氏とリズ・アンダリック氏、KVRの名人潜水夫であるベン・フランク氏とローマン・マランダー氏, コスラエ島からの海洋科学者であるスティーブ・パリック氏とトニー・アブラハム氏と共に壊れやすいサンゴ礁の生態系を調査し、そして記録した。

このレポート作成にはハマグリ、ロブスター、ニシキウズ貝、ウニやナマコなどの無脊椎動物, ハタやフエダイなどの肉食魚、そして何色にも彩られたサンゴ礁自体、サンゴ礁の生態系を作り上げているこの3分野に焦点を当て、観察し、記録するものでした。

アダムズ氏は全体的にコスラエ島のサンゴ礁は並外れて健康であり、さらにその状態は世界最高レベルに含まれる位だと言った。彼は"Reef Check"と1998年から共同作業している献身的な環境問題専門家である。

確かにここの観光業収入の大部分を供給しているのはサンゴ礁であり、FSMの観光事業分野がこれからの経済を支える事になるだろう。

サンゴ礁の白化問題について聞かれたところ、アダムズ氏はコスラエ島では少ないと返答し、「サンゴ礁においては、部分的な死滅や、白化現象、海藻を見つけるのは普通だ。」とも付け足した。サンゴ礁の白化とは、地球温暖化と関連づけられており、ハワイの北西部の島々に大規模に発生しているのが少し前に発見された。

そして、このレポートは大人数が比較的に狭い陸地に密集しているオカットにある空港、港湾施設、そしてレルの漁港にも注目した。この2箇所は人間活動がサンゴ礁の生態系に悪影響を及ぼしている可能性がある場所だ。

潜在的な問題も同時に発見された。サメ島とも呼ばれるキウル島ではある程度まとまった数のオニヒトデが見つけられ、これは監視されていないとサンゴ礁を食い尽くしてしまう捕食動物である。彼らは普通のサンゴ礁生態系の一部であり、問題が生じるかどうかはさらに調査を進める必要がある。

また、調査された海域では、過度な漁業、やり鉄砲を持ったスキューバ潜水夫などが原因となり、大型肉食魚のハタやフエダイ、そして藻を食べるジャイアントバンプヘッドパロットフィッシュに顕しい減少がみられる。

同時に、船の錨によるダメージも多少目立っていたが、大体はコスラエ島自慢のブイのシステムが防御していると考えられる。

さらには、去年の熱帯台風によるウエテ島南部のサンゴ礁の破壊もあり、これはポンペイ、ヤップからグアムやサイパンなどにある多くの島々にも影響を及ぼした。

"Reef Check"の1つの目標はサンゴ礁の健康が降下しているという問題にもっと人々の関心を集める事である。しかし、アンダリック氏はこの問題はコスラエ島には当てはまらないとも述べた。

「コスラエ島のサンゴ礁は本当に健全な状態にある。」と彼女は言っている。「サンゴ礁保護、それは重大な問題が発生していないこの地域にとっては予防薬みたいなものです。手付かずの環境に対する保護は難しい…ここでは他のサンゴ礁とは全く違う状態だから。『保護』というと頭を混乱させる感じだ。」

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