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北アルプスの空気の澄んだ、しかも年間平均気温が2〜3度という高山にだけ住む特別天然記念物ライチョウ。地球温暖化がすみかを奪う危険があると、絶滅を心配する声が高まっている。江戸時代には、山梨・長野県境の八ヶ岳で、昭和初期までは岐阜・石川県境の白山でも生息していたが、今は標高2400メートル以上の北、南アルプスに約三千羽を残すだけ。絶滅危惧種に指定されている。数の減る恐れが出始めたのは、明治時代に西欧ではライチョウが狩りの対象にされるという考えが日本に入ってきて乱獲されるようになってから。昭和に入ると道路やロープウェーの建設がライチョウのすみかを奪うなど、環境破壊が追い打ちをかけた。さらに年平均気温が1〜2度上がると、生息域は今の半分になってしまうという、温暖化問題が拍車をかける。さらに、温暖化が進むと、ライチョウが巣を作るハイマツを含む高山植物が育たなくなる。
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