FoE インターナショナル プレスリリース
4th April 2002 ニューヨーク
GRI(Global Reporting Initiative 企業が出す環境報告書の国際的なガイドラインの立案を進めている団体)の正式始動にあたり、各国政府が、企業活動に関する国際的なルール作りに合意できなかったことを、FoEインターナショナルは大変残念に思います。
ニューヨークで開催されているヨハネスブルグ第3回準備会合と時を同じくして、GRIは4月4日に正式に始動しました。FoEIは「単なる報告書だけではなく、大企業の社会と環境の問題に関する情報開示も強制的に行われなければならない」と主張しました。
世界最大の草の根環境ネットワークであるFoEIは、大企業の社会と環境に対する活動の説明責任を果たすことを強制するよう各国政府に要求してきました。FoEIは、ヨハネスブルグの地球サミットにおいて、多国籍企業の活動をコントロールするための国際ルールに関する交渉に着手するよう求めています。このルールは市民や地域社会の権利を補償し、大企業が説明責任を果たすようにするものです。
しかし、米国政府は企業アカウンタビリティーに関する記述を削除するよう動いています。そして、EUは企業リーダーの気まぐれで行われるような自主的な取り組みを支持するにとどまっています。EUはヨハネスブルグサミットにおいて奨励するものとしてGRIを特例として挙げています。
FoEI、その他の団体、そしてG77(途上国)の政府は、企業の社会と環境の問題の方向性を転換させるのに、自主的取り組みが充分な役割を果たすとは考えていません。エンロン、ナイジェリアで操業するシェル、ヴァルディーズのエクソンは企業の無責任性を示す代名詞となっています。
FoEIのマット・フィリップスは次のように述べています。
「単なる報告書だけでなく、大企業の環境と社会の問題に関する情報開示に関しても強制的に行われなければなりません。しかし、政府は、企業の拡大する権力や世界に及ぼす影響に対処しないための言い訳としてGRIを用いる危険性があります。それは、企業が率先するグローバル化という世界的懸念に、政府が適切に対処しないという大きな過ちを意味するのです。」
またFoEIのダニエル・ミッテラーは次の述べています。
「エンロンのケースのように、企業の愚考によって被害を受けているのが株主や金融機関である場合、政府は率先して介入し、法的手続きや、さらに重い法律を課すことを要求しています。しかし、被害を受けるのが一般市民、もしくは環境であった場合は、政府は自主的な取り組みに委ねているのです。これでは企業にこれまでと同じ事を続けるのを許しているのと何ら変わりありません。拘束力のある企業のアカウンタビリティーに向けて、政府が選択できる第一ステップとして、社会と環境に関する報告は強制的に行われるようにしなければなりません。ヨハネスブルグサミットで各国政府は、企業が保有している権利に見合った義務を、確実にしなければなりません。」
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