ヨハネスブルグサミットは売り払われた

ヨハネス地球サミットでは92年の約束を果たせそうにない

2002/2/8 ニューヨーク

FoEインターナショナルは、各国政府が公式の国連会議において、人間と地球より貿易を優先し、各国が地球規模での不公平と環境問題を引き起こしている真の原因の解決にむけて取り組んでいない事を非難いたします。

「持続可能な開発に関する世界サミット」(ヨハネスブルグサミット・本年8月開催)の公式準備会合が、ニューヨークの国連本部で2週間の会期で開かれ、同サミットで取り上げられる議題が取りまとめられました。この会合で合意がなされた文書は今後7ヶ月間の交渉の基礎となるものです。

FoEインターナショナルは次のことに対して反論いたします。
各国政府は、経済のグローバル化に関する明確な社会と環境の限界を確立することをせず、持続可能な発展より、WTO会合で奨励されている自由貿易を優先することを選びました(注1)。そして、企業のアカウンタビリティーに関する拘束力のある条約について、交渉を開始することも拒否し(注2)、このため世界的に悪化を続ける環境と社会に対しての責任を有する主要因の一つを取り締まることができませんでした。またこの会合では、気候変動に効果的に取り組むこともできていません。ヨハネスブルグサミットでさらなる化石燃料消費を奨励しようと、再生可能エネルギー利用に関する目標を、意味ある値にする要求もなされていませんでした。(注3)

FoEインターナショナルのダニエル・ミッテラーはこう述べています。
「(92年の)リオサミットからの進展を妨げている主な原因の一つは、ネオリベラル的な貿易目標や政策をも超える過大な企業の権力に対する強い傾倒が、問題視されていないことだ。エンロンの不正事件が明るみに出てさえも、まるで各国政府は企業と自由貿易に対する絶対的信条を揺るがすことはいけないと言っているかのようだ。今後サミットの議題が改善されない限り、ヨハネスブルグサミットは”リオ+10”ではなく”リオ-10”になってしまう。もしヨハネスブルグで過剰な経済グローバル化を食い止め、前向きな変化に向けた議題を設けることができない場合は、新たな抗議が世界的に発生することはさけられないだろう。」.

Contact in New York: Daniel Mittler, FoEI WSSD
Coordinator +49 173 923 4747, daniel.mittler@bund.net.
Further information at www.rio-plus-10.org

(注1)合意文書では以下のことが記載されています。「WTO加盟国に対して、世界的な貿易が全ての国において持続可能な開発を支持できるように第4回WTO閣僚会議の結果を実施するよう奨励する。」FoEインターナショナルは第4回閣僚会議の結果は持続可能な開発の芽を摘んでしまう可能性が多大にあると考えます。詳しくはこちらのサイトへwww.foei.org
(注2)企業のアカウンタビリティーに関する条約へのFoEインターナショナルの提言(この提言書はニューヨークのPrepComUにおいて幅広い市民運動団体や幾つかの国の政府に支持された)に関する詳細な情報はこちらへ
www.rio-plus-10.org
(注3)合意文書では以下のことが記載されています。「よりクリーンでより効率のいい化石燃料利用技術や革新的技術を開発することによって、エネルギー供給を多様化させ、また 2010年までに全ての国のエネルギー利用における新規的な再生可能エネルギー源のシェアををの最低でも5%まで引き上げる。」FoEインターナショナルは、国際的かつ国内の従来のエネルギーに対する助成は段階的に廃止すること、そして工業国における再生可能エネルギーのシェアを、2010年までに最低でも12%(現在のEUの目標値)まで引き上げることを呼びかけています。途上国における目標の達成に関しては適切な資金援助が行われなければなりません。