現在、今年の8月26日から南アフリカのヨハネスブルグで開かれるヨハネスブルグサミットでの議題の検討が準備委員会などで行われていますが、FoEインターナショナルでは、同サミットにおいて「企業責任(Corporate
Accountability)」が議題として取り上げられるように呼びかけを行ってきました。
その結果、1月28日から2月8日までニューヨークで開催されていたWSSD準備委員会第2回会合でのFoEメンバーのコメントがヨハネスブルグサミット公式サイト中のニュースリリースとして公表されました。これはこうした地球環境問題の解決のための先進的な考え方の普及に向けた大きな一歩として評価されます。
以下、ヨハネスブルグサミット国連公式サイトのリリース文翻訳です。
NGOがヨハネスブルグサミット準備委員会会合で「企業責任」を呼びかけ
世界経済フォーラムで会していた企業トップに対して反感を示していたNGOリーダーはヨハネスブルグサミットには希望的観測を抱いている。
NGOが取り上げられるべきとして優先項目に挙げていた議題のうちの一つが「企業責任」問題だ。そして、各国政府も注目しているとおり、この「企業責任」がヨハネスブルグでの議題にのる可能性が騒がれている。
「企業責任は議題に載っている。」FoEインターナショナルのダニエル・ミッテラー氏は準備委員会会合中に開かれたNGO記者会見でこう語った。「我々が必要としているのは企業責任に関する条約だ。そしてヨハネスブルグサミットにおいて法的拘束力のある条約の策定に向けた作業が開始されるべきである。」
ミッテラー氏によれば、その理由として貿易自由化が進んだ時代において政府は社会と自然環境を守ることを放棄した事が挙げられる。そして同氏はこう付け加えた。「しかし、そうした政府でさえも企業責任問題の深刻さを認識しているし、私たちも手ごたえを感じている。」
FoEインドネシア(インドネシア環境フォーラム)のエミー・ハフィルド氏はこう述べている。「エンロンの疑惑問題によって企業責任問題に関する意識が高まった。市民はこうした企業は簡単に多くの人々を追いやれることに気付いている。」
アースデイネットワークのキャサリン・ロジャース氏によると、ブッシュ大統領でさえその一般教書演説の中で企業責任について触れている。さらに彼女はこう語った。「NGOは(ブッシュ)大統領や各国首脳にヨハネスブルグサミットに出席することを早期に表明する要請をしている。」
NGOはまた、グローバリゼーションの過程について深い疑念を示している。「第3世界ネットワーク」のシャオ・ルーン氏は「世界中に存在する経済の不平等な力関係によって、我々の夢を実現する要因が限定されてしまっている。」と述べ、こう協調する。「ヨハネスブルグでは、リオでの地球サミットからの南北の盟約に息を吹き入れ直さなくてはならない。これは、全ての国々に対して持続可能な発展を呼びかけるものである。しかし、より途上国を支援する先進国がより増えるという条件が必要である。先進国が主要なアクションを起こさなければ。」
ロジャース氏はこう述べる。「現在世界で問題となっているテロリズムは実際には2種類ある。ひとつは政治的要因から発生するテロリズム、例えば昨年9月にアメリカを襲ったものがそうだ。そしてもうひとつは、静なる形をとる経済的テロリズム(構造的暴力)である。こうした種のテロリズムは、いわば毎朝起床しても子どもに食べ物を与えられない母親、必要な医療措置が受けられないエイズ患者、そして自分の居住地にある保護林の木材を盗む人々のような形であらわれているのである。」
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