( 調査報告ー1J )
OECF/JEXIMの経済協力が排出した炭酸ガス量

OECFのエネルギー関連プロジェクトからのCO2排出量は1997年12月発行の
地球の友「日本の政府開発援助(ODA)と気候変動」に記載ある通り。

JEXIMについては今回新たにプロジェクトを抜き出し、OECFの計算と同じく
IPS(Institute of Policy Study)方式で算出した。

JEXIMは資源開発に全融資額の17%を、電力分野に10%を投入、OECFの
電力分野25%強と面白い対照をみせている。

OECFの電力分野が金額の割にはCO2排出量が少ないのはOECFが水力・ダム
案件が多くJEXIMが火力中心である事から。

世界銀行のデータも参考までに入れた。世界銀行は中国の石炭火力への融資が多く
これがCO2排出量の多い原因である。
その石炭はJEXIMの資源バンクローンで開発されたものである。
従って、資源開発と発電は連なっているためCO2排出量がダブルで積算されている
部分も可成ある。今後、個別のプロジェクトについて関連を調べ修正していきたい。

    CO2
m.ton
Emission
Power
mW
Capacity
Finance
m\
Amount
Finance
incl.
P-Bk
Calculated Scope(Projects)
JEXIM E-Power

Excavation

1,720

10,900

17,382

 

719,461

1,187,200

1,200,000

1,400,000

92-97(6 years)financed projects
full load operating for 20 years
92-97(6 years)financed projects
full production for 20 years
OECF E-Power 1,340 11,282 1,395,600   92-96(5 years)
World Bank E-Power

Excavation

2,910
2,170
40,410
17,316
12,302

457,500

528,400

US$=100\ 92-96(5 years)
Pending
92-96(5 years)
based on proved reserve

*World Bankの資源開発のCO2排出量計算は埋蔵量から計算したもの

ーーーーーー以上のデータが示すもの。ーーーーーーーーー

a) 日本の経済協力のもたらすCO2排出量(20年分)はOECF/JEXIM合計で
139.6億トン」で日本の現在の年間CO2排出量「13億トン」の10年分以上
に相当
世界の年間排出量「260億トン」の半年分に相当。

b) CO2排出計算で確度の高い
発電だけでも「30.6億トン」2年分以上に相当。
世銀のPendingを除いた発電の排出量を若干上回っている。

c) JEXIMの「資源開発」と「発電」分野への融資は考え直す時期にきている。
OECFの「発電」も同様、又CO2排出量の計算はないが「運輸」の
分野の中の(道路)と(空港)(96年度でそれぞれ1,000億円以上)も
CO2の増加をもたらす融資である。