東南アジア地域でダム開発問題に取り組むNGO・住民の国際連合体「リバーズ・ウォッ チ(RWESA)」は4月12日、国際協力銀行(JBIC)の保田博総裁宛てに書簡を送付 し、「世界ダム委員会(WCD)」の勧告を環境政策に取り入れるよう求めた。 NGO は、現在策定中のJBIC新環境ガイドラインにWCDの最終報告書で確認された原則を 取り入れて拘束力のあるものにすること、進行中のダムプロジェクトを見直し、 WCDの原則に反するような破壊的な河川開発からの融資撤退を求めている。 >>>>> 以下、本文です。 <<<<< 国際協力銀行
2001年4月12日
産業化の歴史を考えると、その主流モデルにおいては、地域社会のニーズや開発計画によって直接影響を受ける人々がしばしば無視されてきた。地球温暖化、砂漠化、生物多様性の減少などを見れば、環境破壊を引き起こす開発もたらしてきた結果は明らかである。
不幸なことに、私たちが今日見かけるODAや国際経済協力の大部分を形作っているのも、このモデルであり、JBICもまた、この歴史の産物である。しかし、希望はまだある。国際金融機関は、自身の政策を見直し、より厳格な社会・環境上の慣行を実施しようとしている。
私たちは、地域における破壊的な河川開発を中止するために活動するNGOやダムによる影響住民のネットワークである、東・東南アジアリバーズウォッチ(RWESEA)のメンバーとして、この手紙を書いている。RWESEAは、JBICが現在新たな環境ガイドラインを策定中であることを知り、その成果を期待している。私たちはJBICに、世界ダム委員会(WCD)が定める「戦略的優先事項」及び優先事項に含まれる「政策原則」の採用を表明し、この「政策原則」をJBICの新ガイドラインに取り入れるよう求める。
特に、私たちは以下の事項をJBICに求める。
JBICは、WCDのガイドラインに違反するあらゆるダムプロジェクトについて、融資を行うべきではない。WCDの原則に反し、したがって影響を受けるコミュニティの権利を侵害し環境を傷つけるプロジェクトへの資金供与は、人権と環境持続可能性を尊重した開発への誠実なコミットメントではなく、偽善の証しとなる。
JBICがWCD報告書への立場と環境ガイドラインの進捗状況をRWESEAに報告していただければ幸いである。国際市民社会のメンバーとして、私たちはJBICが一貫して実施されている一連のガイドラインを定めるよう求める。私たちは、このガイドラインが他の輸出信用機関のモデルとなり、JBICがこの分野におけるリーダーとして行動することを希望している。
RWESEAのコンタクト先は下記のとおりである。お返事をお待ちしている。
Hui Seng Kin, SOS Selangor, Malaysia Dr Kua Kia Soong, SUARAM, Malaysia Colin Nicolas and Carol Yong, Centre for Orang Asli Concern, Selangor, Malaysia Joan Carling, Cordillera Peoples Alliance, Philippines Kong Socheat, Church World Service, Kompong Thom, Cambodia Kevin Li, Globalization Monitor, Hong Kong Consumers Association of Penang, Malaysia Sahabat Alam Malaysia Indigenous Peoples Development Center, Sarawak, Malaysia Philippine Indigenous Peoples Links 地球の友ジャパン メコンウォッチ Southeast Asia Rivers Network, Thailand South Asia Network on Dams, Rivers and People, India AID/WATCH, Australia EarthRights International International Rivers Network
cc. 国際協力銀行の環境ガイドライン統合に係る研究会
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