インド国立公園内の鉄鉱石採掘問題で
2000年8月18日 私たちは、インドのカルナータカ州クドレムク国立公園内における鉄鉱石の採掘が及ぼしている重大な環境影響と日本の企業の関与について深く懸念するものです。 クドレムク国立公園は豊かな生物多様性と貴重な生態系で知られ、世界的に見ても有数の自然遺産です。また地域の人々にとって貴重な水源である3つの川もここに発しています。 しかしこの公園の一部で行われているインド国営のクドレムク鉄鉱石会社(KIOCL)による採掘活動は、公園内の自然に大きな環境影響を及ぼしてきました。KIOCLは現在インド政府に対し、さらに20年間の採掘許可延長及び採掘地域の拡大を申請しています。申請が許可されれば、すでに大きな影響を受けている公園内の生態系は壊滅的な打撃を受けることになります。 日本の大手商社(日商岩井、三井物産、三菱商事、住友商事、日鐵商事)及び鉄鋼5社(住友金属、新日鉄、日新製鋼、神戸製鋼所、川崎製鉄)は、このKIOCLから年間約100万トンの鉄鉱石の輸入及び購入を続けてきました。これらの企業は産出量の約3分の 1にあたる量を輸入し、KIOCLの破壊的な操業を支えてきたわけです。彼らは環境に対する責任を認識せず、操業が許可されればさらに輸入を続けようとしています。 私たちは、これらの日本企業による購入が約束されなければ、KIOCLの無責任な採掘活動は不可能であると考えます。また、日本の公的な輸出信用機関である国際協力銀行及び通産省による公的支援が、これら企業の投資行動の決定に対する重要な奨励要因になっているとも考えています。私たちは、このように破壊的な環境影響を与える操業によって生産された資源輸入に対し、公的支援を与えないよう、強く要請いたします。この2機関が昨年策定した環境政策を有意味で責任ある形で実行されるよう、お願いいたします。 Cc: 国際環境NGO・地球の友ジャパン Leo F. Saldanha |