サンロケ報告 2001年4月30日

サンロケダム建設現場で6人死亡
−雇用者側の安全管理に大きな疑問−

      4月19日(木)、サンロケダム建設現場でサージタンクを工事中の作業員10名が吊り足場から50m下へ転落し、6人が死亡、4人が負傷する惨事があった。作業員はいずれもサンロケパワー社(SRPC)の請負業者であるレイセオンの従業員で、その多くはベンゲット州やパンガシナン州の出身者である。現在、フィリピン警察とパンガシナン州知事が派遣したサンロケ特別チームがそれぞれ事故の原因究明のための調査にあたっている。

 サージタンクは直径20m、深さ100mほどの大きさがあり、内側をコンクリートで固めるために120mの高さを上下する移動用リフトが備えつけてある。事故は、そのリフトを支えている3台の滑車(巻き上げ機)のうち一台が破損し、作業員の足場が傾いたことにより起こった。これまでのところ、作業中に安全ベルトを着用していた4人は助かり、着用していなかった6人が全身を強く打ち死亡したことがわかっている。

 SRPCのレジデント・マネージャーJohn Lockwood氏によると、レイセオンは1年以上前からその機械(カナダ製)を従業員や資材の運送用に使用してきたようだ。この事故を受けて同マネージャーは地元紙に、「SRPCとして、犠牲者の遺族にはできるかぎりの生活扶助をおこなっていきたい。」と話している。

 現在、調査を続けているサンロケ特別チームの一員で弁護士のバニクエド氏は、「(今回の事故は)これまでにサンロケダム建設現場で起きた事故の中で最悪のものだった。」と語り、雇用側の従業員に対する安全管理が十分であったかどうか調査することを示唆した。

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本文は、4月20日付ABS−CBN、4月21日付Philippine Daily Inquirer、
Philstar、Manila Times紙の報道を地球の友ジャパンでまとめたものです。

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