サハリンU石油・天然ガス開発プロジェクト


 サケ・マス類、スケソウダラ、ズワイガニ、タラバガニ、ケガニ、ボタンエビ、ウニ、ツプガイ――目本の食卓を彩るこうした海の幸をはぐくむオホーツク海で、海洋汚染のリスクをはらむ油田開発がはじまろうとしている。(98年10月26日毎日新聞・記事より)

1999年7月、サハリン島ピルトン湾で発生したパシフィックニシン大量死についての調査資料

プロジェクトの概要

事業主体:

サハリンエネルギー投資会社(SEIC−Sakhalin Energy Investment Corp.)

内訳:

マラソン・オイル(米)37.5%
三井物産25.0%
三菱商事12.5%
シェル石油25.0%

生産量:

7億5000万バーレルの石油
4000億立方メートルの天然ガス

事業工程:

1998年半ば 工事開始、
1998末掘削プラットホーム据付け開始
1999年中に石油掘削開始
2001年に天然ガスの掘削開始
2003年にパイプラインの完成を目指す


公的資金の導入:

(第1次:‘97・12月、融資決定)
日本輸出入銀行 US $ 116million(130億円)
米国海外投資公社 US $ 116million
欧州復興開発銀行 US $ 116million
( *所要資金量合計 1兆2000億円 )

生産分与(PS)契約 :

サハリンエネルギーとロシア連邦政府/サハリン州政府との取決め
会社側:90%
ロシア側:10%(これは利益の32%に相当?)

但し開発・生産コストの償却後の利益率が17.5%に達したとき---実際には利益率17.5%は達成不能で1年目:0.8%、2年目:1.9%、3年目:2.7%。ピーク時4.7%まででその後は減少と言う計算あり

 オホーツク海は古来「オホーツク民族(司馬遼太郎)」の活躍の場所で北海道との縁が深く、また海洋生物と気象条件が世界規模で特異である故に独自の文明・文化を生み出してきた。地震多発地帯・流氷半年に対する対策不十分なこの開発事業はサハリン周辺の社会・環境破壊にとどまらず、北海道の北東沿岸を含めたオホーツク文明の壊滅を意味するのではないかと危惧されている。

<更に情報を掲載予定>