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FoE英国の Big Askキャンペーン
2008.04.11

世界初の気候変動法案は市民の要求から誕生した
昨年3月、英国は、世界で初めて政府に温室効果ガス削減を義務付けた「気候変動法案」を発表しました。2050年までに1990年比60%、2020年までに26-32%の削減を法的拘束力のあるCO2削減目標として設定しています。

その達成のために5年ごとの「炭素予算」システムを創設、ビジネスや国民に道筋を示すとともに低炭素社会へシフトする投資を促進します。また、独立機関「気候変動委員会」を設置し、専門的立場から炭素予算の着実な実行のためにアドバイスします。

この英国の意欲的な法案成立の背景には、NGOの力強い働きかけがありました。英国では、政府の委員会の調査等からすでに気候変動の深刻な影響を回避するためには2050年までに60%の削減が必要といった合意がありました。にも関わらず、実際の削減状況は横ばいに留まり、「定量的な削減」に対する時の政府の責任はあいまいだったのです。そこで、FoE英国は、これを義務化する法律の必要性を訴え、『Big Askキャンペーン』を開始しました。

「定量的な削減」が重要なのは、削減を開始するのが遅くなれば遅くなるほど、大気中に排出されるCO2総量は多くなり、気候変動の影響を悪化させるとともに、削減コストも高くつき、将来世代の負担を大きくするからです。FoE英国は、マンチェスター大学ティンダルセンターの協力を得て、科学的研究に基づくシナリオを提示しました。


地域グループとメディアを効果的に使ったキャンペーン
キャンペーンは、全国の市民に呼びかけ、気候変動法案成立をお願いするハガキやEメールを地元の国会議員に送るアクションを大々的に展開しました。
各地のFoE地域グループは、地元の議員を一人一人説得しました。

ロックグループ、レディオヘッドのトム・ヨークが積極的にスポークスマンを務め、FoE英国代表のトニー・ジュニパーとともに多くのメディアに登場しました。その他多くの著名人たちもキャンペーンを支持し、コンサートに参加したり、ビデオメッセージを寄せるなど、大きなムーブメントを巻き起こしました。

こうした活動の結果、全国会議員の3分の2が気候変動法案の支持を表明し、
ついに法案が成立したのです。

よりよい法案をめざして
法案は成立しましたが、FoE英国は法案のさらなる強化に向け、次の3点を求めてキャンペーンを続けています。
  ・ 炭素予算を5年ごとから1年ごとにすること
  ・ 削減目標を2050年に80%に引き上げること
  ・ 国際航空と船舶も削減対象に含めること
キャンペーンには、これまでに20万人以上が参加し、英国政府は現在、これらの修正案を検討しています。


気候政策を変える市民の力、日本でも
日本は、京都議定書の6%削減達成も危うく、2013年以降の削減目標はいまだ明言されていません。7月の洞爺湖サミットで議長を務める日本の動向に世界の注目が集まる中、FoE Japanは他のNGOとともに、日本政府に先進国の責任にふさわしい中長期削減目標の設定とその道筋を示すことを求めて働きかけを強化していきます。

FoE英国のBig Askキャンペーンのエールを受け、多くの市民の皆さんとともに日本の気候政策を変えていきたいと思います。


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