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川辺川利水訴訟、勝利判決へ向けて 農水省・国交省へのネット署名にご協力を

 無駄な公共事業を代表する、熊本の川辺川ダム計画。このダムから水を引くという川辺川利水事業に対し、対象農家の過半数、約2100人が「ダムの水はいらん!」と裁判を起こしています。対象農家の3分の2以上の同意署名が有効なものだったかどうかが裁判の最大の争点でした。実際にダムの水が必要ない人たちが適正な説明を聞かされずに署名をしたと異議申立をしたにもかかわらず農水省に棄却されて起こされた裁判でした。

「判断は司法の裁量を超えている」とした熊本地裁での不当判決から3年。ついに5月16日、福岡高裁において判決が言い渡されます。
控訴審では、新たに198名の署名改ざんが明らかになり、発覚した死亡者の署名などを合わせて数百名分が不正署名だったことが証明されました。
結局、それらを差し引くと約4000人の対象農家のうち同意者は1293人、同意率は約32%しかなく、3分の2を超えていないことは明らかです。

 勝訴の可能性も高くなりましたが、もしも、勝訴判決が確定すれば、ダムの主目的である利水事業が成立しなくなるため、ダム計画が中止になる可能性があります。
 現在、農林水産省・国土交通省は、利水事業の継続とダム本体工事着工を断念していません。本来、3分の2以上の同意署名が有効かどうかは事実認定に関することであり、上告の理由にはなじみません。ところが、農水省が最高裁判所に上告すれば、裁判が引き伸ばされ、その間に国交省がダム本体工事を着工してしまうということもあり得ます。
 原告農家の皆さんの高齢化もすすむ今日、裁判の引き伸ばしとダム本体工事着工という既成事実化を目的とするような上告は許されないことです。


■そこで皆さんにお願いがあります。
 判決が出されるまで、農水省と国交省宛てのインターネットでの署名を行うことにしました。農水省には利水事業の中止、国交省には控訴審判決の尊重を求める署名を両省に送りたいと思います。 

 国を動かすのは、わたしたち一人一人の世論です。当事者の農家以外にも、この事業を問題視する人が沢山いて、中止を求めているということを両省に伝えていきたいと思います。この署名は、インターネットに接続できる環境さえあればどこでも誰でもできます。このメールを多くの方にお知らせ頂き、一人でも多くの方にご協力下さいますよう、お願い致します!!

【ネット署名方法】
https://no_risui.tripod.co.jp/ に接続して、都道府県、住所、氏名、農水省宛てメッセージ、国交省宛てメッセージを入力して、送信ボタンをクリックしてください(両省宛てのメッセージは省略可)。入力していただいた署名は事務局で集約して、農水省、国交省に送ります。ただ携帯電話からの署名は出来ません。お気をつけ下さい。

【問い合わせ先】
川辺川利水訴訟原告団事務所
〒868-0095熊本県球磨郡相良村柳瀬94-3
 TEL/FAX0966−24−4844
*農水省・福岡高裁へ向けた署名も行っています。ご協力頂ける方には署名用紙をお送りしますので、上記へご連絡下さい。

ネット署名については、子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会事務局
〒862-0926 熊本市保田窪2-3-57
Tel.096-349-8090 Fax.096-349-8320
E-MAIL:kawabegawa@aminet.or.jpまで問い合わせください。


【川辺川利水事業とは?】
 日本三大清流の一つ、球磨川の最大の支流が川辺川です。環境庁から水質日本一のお墨付きをもらったこの清流に、1967(昭和41)年7月建設省(当時)から発表された多目的ダム計画です。ダムの主目的は治水、利水(灌漑)、発電で、このダム計画に付随する形で1986年に農水省がダムから下流の高原(たかんばる)台地に水を引く導管を敷設するという、国営川辺川利水事業を発表しました。
この利水事業は、受益地区の農家の3分の2以上からの実施要望があって始めて実施されるものなのですが、この3分の2の同意について、農水省が反対農家を騙して賛成同意を取ったり、署名をねつ造したり、すでに死んだ人の名前を使っていることが、これまでの裁判で明らかになりました。

【なぜ農家の人は、水はいらないと言っているのか?】
(1)現在、米作りは奨励されるどころか、減反や生産調整のために休耕田が目立つという状態。利水事業計画時に比べ、日本の農業を取り巻く状況は大きく変化しており、時代のニーズに合っていません。

(2)高原台地では、すでにお茶や牧草など、水をそれほど必要としない畑作への転作が成功しており、農家の多くは「高い事業負担金と引き替えにダムからの水はいらない」と主張しています。

(3)また、高原台地には川辺川上流から自然勾配を利用してに引かれた「六角水路」があります。農水省は「老朽化が激しく、使い物にならない」と言いますが、実際には現在でも全く問題なく使われています。

(4)そして原告農家が最も不満に思っていることは、農水省の「始めに事業ありき」の姿勢です。当初から反対していた農家を騙したこと、署名を砂消しゴムや修正液で消してねつ造したこと、死んだ人の名前を勝手に使っていることなどが明らかになっています。

【カンパのお願い】
 利水訴訟の判決に向けて、原告団は全国に署名運動を呼びかけています。また、福岡や東京での行動など精力的に頑張っていますが、そのためには郵送費や交通費、宿泊費などの活動資金が必要です。そこで、皆様方には活動資金のカンパをお願いいたします。清流を守り、無駄な公共事業をストップさせ、そして民主主義を守るための闘いを是非とも応援してください。

カンパ方法:
1口1000円(何口でも可です) 郵便振替:01740-9-21270
加入者名:川辺川利水訴訟原告団事務局

*利水訴訟の詳しい経緯は以下のWEBを参考にしてください。
川辺川利水訴訟弁護団国宗直子弁護士のHP
https://www5b.biglobe.ne.jp/~naoko-k/index.html

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