2002年5月27日
インドネシア・バリ
今こそ、地球サミットを救うアクションを!
FoEインターナショナルはヨハネスブルグで開催される地球サミット(1)を頓挫させようとする各国政府を非難し、そして、8月のサミット開催前最後となる交渉の場で意味のある行動計画にコミットすることを要請します。
インドネシア・バリでの交渉は準備委員会会合のエミル・サリム議長によって5月9日に公表されたドラフト文書を基にしていますが、この文書はこれまでの会合でのドラフト文書に記述のあった目標や実施計画案の大半が削除されており、価値あるものとは言い難い内容となっています。
FoEインターナショナルは、政府団が経済のグローバル化に対して社会的、環境的な規制を設けるに至らないことを大変遺憾に思います。地球サミットを規制緩和や自由化に関する懸念に対応するためのよい機会とするどころか、各国政府はWTOの自由貿易を吹聴する立場を持続可能な発展になぞらえることに固執しています。企業は、政府によってまったくの自由を与えられてしまっているのです。新しいドラフト文書にかろうじて残っている目標は企業の自主的なイニシアティブによるものに他なりません。FoEインターナショナルは、これは各国政府が責任をあろうことか放棄し、大企業が今日の持続可能な発展を妨げている実体そのものである現実に目をそむけていると考えます。
FoEインターナショナルはヨハネスブルグサミット準備会合の全過程において建設的な提言を行ってきました。しかし、各国政府は市民社会の懸念に対し、まったく対応しようとしていません。米国、オーストラリア、カナダ、そしてOPEC加盟国は地球サミットで新規のコミットメントが達成されることに続けざまに反対してきました。また、残念なことに、EUのような会合参加国もこうした国々に反論をすることを避けています。
FoEインターナショナルは政府団に対し、彼らがサミットの方向性転換を図ろうとしていることを表明するために2つの課題を提案しました。それらは、政府団はサミットで企業アカウンタビリティーに関して拘束力のある世界的な協定の策定に向けた交渉に着手することに合意しなければならない(2)、そして、多国間環境協定(MEA)はWTO規定に従属的であってはならないことを確立させなければならない(3)ということです。
FoEインターナショナルのWSSD担当・ダニエル・ミッテラーは次のようにコメントしています。
「バリの会合は地球サミットを救うための最後のチャンスです。政府はリオデジャネイロで開催された10年前の地球サミットでの約束を破ってしまった。このため、各国政府が資金的計画を含めた明確な行動計画にヨハネスブルグで合意することは急務なのです。」
FoEインターナショナルは、バリでの準備会合のため「大企業に世界を支配させてはならない」というスローガンをかけて世界的キャンペーンを開始しました。FoEインターナショナルは、世界中から各国首脳に対する要請を募っており、それらはヨハネスブルグサミットでアートディスプレイとして展示します(4)。
ダニエル・ミッテラーはこう述べています。
「私たちは、数戦ものメッセージを世界中から集め、サミットに届けます。そしてそれをもって、政府団に市民はグローバル化に対する社会的、環境的な規制を要求しているのだと示します。もし、政府団がこの要求にこたえられなかった場合、ヨハネスブルグでは非難の嵐に会うことでしょう。」
新しいドラフト文書に対するFoEインターナショナルのコメントは以下のウェブサイトからご覧いただけます(英文)。https://www.rio-plus-10.org または https://www.foei.org/wssd
脚注
(1) サミットの公式情報はこちらのサイトから https://www.johannesburgsummit.org
(2) FoEインターナショナルは企業アカウンタビリティーに関する拘束力のある規制を設けるべく世界的キャンペーンを始めました。詳しくはこちらから(英語)https://www.rio-plus-10.org/en/positions/26.php
(3) 世界150以上の組織が署名するにいたった多国間環境協定(MEA)に関する声明文(全文)はこちらから(英語) https://www.rio-plus-10.org/en/positions/35.php
(4) FoEインターナショナルは地球サミットに向けたメッセージを募っています。ネットからでも送ることができます(英文) https://www.rio-plus-10.org/en/action.php?a=a1&lang=en