ごみ問題は、かつては、衛生管理の問題であり、それは主に人々の生活に身近な行政府である自治体の責務とされてきました。高度経済成長とともに、日本人の生活が物質的に豊かになり、大量生産、大量消費、大量廃棄の時代に入ると、各地で廃棄物最終処分場の限界が深刻な問題となり、その延命のためのごみの減量が重要な課題となりました。この状況に、限りある資源を有効に活用する目的も加わり、1990年代より、容器包装を皮切りに、家電、建築、食品、自動車等のリサイクル法や循環型社会形成推進基本法などの法制度が整備されるよおうになりました。ごみ問題において、生産者と消費者の責任が重要になってきたのです。
しかし、これらの制度ができて、果たしてごみは減ったでしょうか?そして、地球から取り出される資源・エネルギーは、最小限に抑えられるようになったでしょうか?
容器包装リサイクル法ができてから、ペットボトルの回収は定着しましたが、生産、販売量が法律施行前より大幅に増え、リユースのびん等は、すっかり姿を消しました。パソコンも、携帯も、新しいモデルが出れば、すぐに買い換えるのが当たり前の世の中です。
循環型社会形成推進基本法では、3R、すなわち、発生抑制、再使用、再生利用の順で、優先順位が定義されていますが、人々がそのように行動するインセンティブが働く制度づくりが必要です。すなわち、回収・リサイクル費用の負担責任が重要な鍵になるのです。FoE
Japanは、生産段階からリサイクル・処分に至るまでの製品のライフスタイル全体において、製造者が一義的にその責任を負う「拡大生産者責任」を徹底することが、市場経済の中でより環境負荷の少ない製品設計を促進し、円滑かつ公平な制度の運用につながると考えます。
FoE Japanは、地球から取り出される資源と環境負荷が最小限に抑えられるしくみづくりに向けて、積極的に提言活動を行っています。