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林業活性化・全国大会・発言予定要旨


3 森林保護に関する国際的な動きの紹介と、日本の林業への影響

次に我々の国際的な森林保護活動のうち日本の林業に係わる最近のニュースを報告し たいと思います。

3−1
今、環境保護NGOにとっての最大関心事は地球温暖化と森林のシンク、所謂森林 の炭酸ガスの吸収です。ご承知の通り京都会議において日本は6%削減を約束しました。そして今年10月のベルギーのCOP6の政府間の会議で森林のシンクを削減量としてカウントするか、カウントするとすればどのような条件と算定式でと言うのが最終的に決まるとされています。森林のシンクの量はカウントされるか・されないかで削減目標の達成に大きな影響があるのです。このことは取りも直さず世界の森林資源の増減が地球温暖化に大きな影響があると言う事です。若干話しは飛躍しますが、日本の林業の保護のために補助金を貰うのではなく、地球温暖化抑制のために政府は補助金を出すべきで、国民はその負担を当然と考えるべきと言うのが私の論点です。

3−2
今年はサミットが7月に沖縄で行われます。サミットで話し合われたことが「共 同コミュニケ」として纏まり、その後サミット参加の各国政府や各種の国際機関でフォローされる事になります。従ってこの「共同コミュニケ」に取上げられることが非常に重要です。地球温暖化については取上げられる事は決定済みで、米国がどれだけコミットするかが焦点ですが、我々森林NGOが今注力しているのが「東南アジアやロシアなどでの違法伐採や不法商業伐採の抑制・禁止――特に原生林について」をサミットで取上げて貰う事です。これに関連して私は最近「林産業を支援する筈の政府補助金が世界の森林劣化に荷担する結果になってないか」と言うWRI−世界資源研究所のG8用の提言作成に協力しました。持続可能森林経営と言う事がサミットの議題にまで上がるほど、森林・林業は脚光を浴びているのです。林業に携わる皆様はこのことを誇りに思って戴きたいと考えます。

3−3
もう一つ、これはWTOの絡みですが、中国の林産物の輸入量が急拡大しているの です。ご承知のように中国各地で森林が急速に減少し砂漠化が進む一方、保水力の低下から大洪水も頻繁に起こるようになりました。政府は森林の伐採を厳しく制限したため。また住宅建設が活発化したために、あるいはパルプを使う紙生産に移行するため、木材の輸入が急増しているのです。そしてWTOに加盟するための米国との交渉で林産物の関税も大幅に下がりました。米国林産物の対日圧力がひょっとしたら日本の頭越しに中国に向かうだろうと言うのが私の予測です。森林保護の高まりと相俟って林産物の需要と供給の力関係が近い将来逆転するのではないかと私は予測しています。そうなると林産物の価格は上がります、林業は生き返ります。その時のために是非いま林業就労者を確保・温存・育成する必要があります。私達NGOは皆様と共に林業の担い手確保の具体的施策を考え政府の支援を共にお願いして行きたいと考えます。

1 私達、国際NGOがこのような大会で発言させて戴くことになった経過とその意義
2 私達NGOの活動方針―「林業活性化」と「木材消費量削減」―業界との協調が可能か?
3 森林保護に関する国際的な動きの紹介と、日本の林業への影響

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