2007年6月6日(水) 今日6月6日から8日まで、ドイツのハイリゲンダムでG8が開催されています。 メインテーマは気候変動対策とされ、G8による根本解決への取り組みが期待されていましたが、米国の妨害によってまたしても強力な合意を得られないままに終わりそうです。
FoEは基本的に、G8は主に大国とビジネス界の利害を追及し、公平に地球の将来を決める為の適切な場ではないと考えます。しかし実際は、世界人口のたった13%しか占めないG8諸国が、世界の温室効果ガスの45%を排出しており、その責任は重大です。 小野寺ゆうり/FoE
インターナショナル気候キャンペーナーのコメント: 昨年、ロシアでのG8サミットでは、気候変動問題の緊急性を首脳会談に持ち込むことに失敗し、化石燃料への投資の促進を続けさせることになってしまいました。すでに起こっている気候変動の脅威を踏まえ、G8諸国は今年開催する国連の気候変動会合にコミットしなければなりません。さらにG8のリーダー達には、エネルギーの効率化や再生可能エネルギーへの大きな投資により、長期の持続可能性を保証する社会へと転換していく責任があります。 |
FoEはG8に、世界の気温上昇を工業化前のレベルから2度未満に抑えることと、再生可能エネルギーとエネルギーの効率化への投資を約束することを求めています。さらにG8諸国は歴史的な責任と現在の持続不可能な開発モデルの結果、苦しめられている貧しい国の人々への環境責任を負わなければなりません。 ブッシュ米大統領の新しい気候変動政策提案 5月31日、これまで気候変動対策に非常に消極的だったブッシュ米大統領が、気候変動対策の為の新しい提案を発表しました。米国は、中国やインドを含む大量排出国15ヶ国による京都議定書の第一約束期間(2008-2012)以降の新たな枠組づくりを提案しています。今秋ワシントンで会議を開催し、2008年末の合意を目指しています。 ブレント・ブラックウェルダー/FoE
USのコメント: ブッシュは気候変動問題に取り組むふりをしているだけです。もし本気で取り組むつもりならば、すでに進められている国連の気候会合に本腰を入れて参加するか、G8で気候変動の議論をするべきでしょう。この提案は気候変動対策に貢献するどころか国連やG8での交渉を妨害しようとするとんでもない企てです。合衆国は世界での温室効果ガスの排出量の25%を排出しており、気候変動問題に立ち向かうためにリーダーシップを取る道義的な責任があります。国民はそれを認識していますが、ブッシュ大統領はリーダーシップを取るどころか世論に従おうともしません。 |
トニー・ジュニパー/FoE
UKディレクターのコメント ブッシュ大統領によると気候変動の解決策は技術であり、その全ての技術は既に開発されているといいます。しかし、対策の遅れは国際的合意と政策の実行がかけているせいです。ブッシュ大統領はそれらには、新しい提案の中でも今までどおり反対しています。 ブッシュ大統領の2008年末に合意させる新しい枠組交渉の提案は、明らかにや国連に既にある交渉を遅らせようとするだけの企てです。 |
ソニア・メイスター/FoEヨーロッパ 気候キャンペーナーのコメント: ヨーローッパのリーダー達は彼らのポジションを強く主張し、気候変動に対するG8のコミットメントを弱めようとするブッシュに立ち向かうべきです。弱められた妥協策では年末のバリ会合に誤ったシグナルを送ってしまうことになります。G8は二酸化炭素削減を国連主導の京都プロセスにおいて進めることを確認し、ブッシュの新しい提案によって話をそらさせないようにしなければなりません。 |
チャーリー・ポッペ/FoEヨーロッパ貿易キャンペーナーのコメント:
太陽光発電パネルや風力タービンなどの技術は、途上国において気候に優しい開発を進める上で、重要になってきます。先進国は途上国の再生可能エネルギーや省エネ技術へのアクセスへの自由を承諾すべきです。G8は財政支援と途上国へのそれらの技術の知的所有権の緩和に合意すべきです。 |
6月4日、FoE
USはOxfamやAction Aidなど他の30の開発・環境NGOと共同でブッシュ大統領宛にG8においての気候変動対策の為の重要なアクションを妨害しないよう要請する手紙を出しました。 *ブッシュ大統領への手紙 https://www.foe.org/pdf/g8-development-climate-letter.pdf 同時に、何千ものFoE
USのメンバーが他のG8諸国に向けてU.S.の恥ずかしい態度に対し謝罪を送りました。 *
ブッシュの行動に対する謝罪アクション https://action.foe.org/dia/organizationsORG/foe/content.jsp?content_KEY=2748 さらにFoE政策チームは米国政府と会談し、G8に対する彼らの政策を改善させるよう働きかけています。 参照 ・
FoE International 5月31日プレスリリース ・ FoE US5月31日プレスリリース ・ FoE UK5月31日プレスリリース ・
FoE EU6月4日プレスリリース
|