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of the Earth ヨーロッパ プレスリリース 2007年3月9日 EU首脳会議、臆病な気候変動戦略に合意 〜新しいエネルギー行動計画によって、汚いエネルギーの束縛から解放ならず〜
3月9日(ブリュッセル)−FoE
ヨーロッパはEU 首脳会議による気候変動対策の為の行動計画の採択を歓迎します。しかしながら今回採用された方法はまだまだ非常に臆病で遠慮がちなものです。各国首脳達は、再生可能エネルギー利用促進に関しては控えめながらも後押ししましたが、結果的にEUの温室効果ガスの削減には低い目標で合意をしました。
ヨーロッパの過剰なエネルギー浪費を減少させる実質的な公約の合意に再び失敗したことになります。
*今日(9日)、EU
首脳会議の外では、ヨーロッパ中の15の国から何百人もの人々が、持続可能なエネルギーの必要性を訴えながら、高さ12mの「巨大なEUエネルギーの旗」をつくりました。
FoE ヨーロッパの気候キャンペーナー、Jan
Kowalzigのコメント: 「EU首脳会議がヨーロッパの二酸化炭素排出削減に向けて前進しなかったことは残念なことです。 この結果は、世界中に大混乱と不況を引き起こす人為の気候変動に関する世界の科学者や経済学者たちの警告を軽んじていることになります。」 EU首脳会議は1990年レベルと比較して2020年までに20%温室効果ガス排出削減するという目標を採択すると同時に、地球温暖化の最悪の結果を避けるためには先進諸国全体が温室効果ガスを実質30%削減しなければならないという忠告を出しました。FoEヨーロッパはこの明らかに矛盾した結論、EUが他の先進諸国に現在より高い目標を掲げさせる説得に向けて困難な挑戦をするという戦略的な感覚を疑います。 「もしEUがアメリカが1990年レベルと比較して2020年までに30%温室効果ガスを削減しなければならないようブッシュ大統領に説き伏せようとするのを見れるならば非常に面白いことです。EU首脳陣は当の本人達でさえそのような目標を採択することにすくんでいました。」と、Kowalzig氏は述べています。 ヨーロッパの主要エネルギーの20%を再生可能エネルギーで賄うという目標が、今日(3月9日)合意されました。FoEヨーロッパはこの目標の義務的な性質(拘束力のある約束)を歓迎しますが、従来のエネルギーからの温室効果ガス排出を大幅に削減するためには、目標はもっと高くなければならなかったことを強調します。決定的な問題として、この20%という幅広い目標は、電気や冷暖房のような分野の特定の下位目標による支えを得ていません。これらの分野からの支持を得ないことは現在の政策からの後退を意味し、欧州委員会自体さえ投資を妨げることになると認めています。
分野別の特別な目標をたてる代わりに、再生可能エネルギーに関してそのような漠然とした目標の同意するということは、電力や冷暖房を含む全ての分野の広い市場の中で、再生可能エネルギーへの投資を促すための十分な信頼は得ることができないということになります。 EU首脳会議は2020年までにエネルギー消費量を20%削減するというヨーロッパのポーテンシャルを実現させるためのエネルギー効率に関しての合意に達しました。しかしながらその合意は実質的な約束を伴うような具体性にかけたものでした。したがってFoEヨーロッパは、昨年11月に採択されたエネルギー効率行動計画を現在最も厳格に実行すべきものであると主張します。 FoEヨーロッパは、ヨーロッパ各国の首脳が、放射性廃棄物の処理方法や数千年にも及ぶ貯蔵方法の課題、深刻な事故の危険性、核兵器の材料の増加と原子力発電所のテロ対策等の未解決の問題を残したままに原子力を将来のエネルギー源としてみなすことに対し警告を表明しました。FoEヨーロッパは、排出量削減のための原子力利用は、他の再生可能エネルギーよりはるかに高くつくと繰り返し述べています。もし原子力発電を新設する費用を省エネ対策へ投資すれば、排出量を10倍多く削減できることになるという研究結果も出ています。さらに10倍も安いエネルギー供給を確保できることになるのです。
リンク:FoE
ヨーロッパ気候変動キャンペーン
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