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of the Earth International プレスリリース 2007年2月2日 2007年2月2日(パリ)、国際連合気候変動に関する政府間パネルは、気候変動の事実と人間への影響について明らかにしたIPCC第4次報告書を発表しました。 この研究には130以上の国々から2,500人の科学者が参加し、報告書は6年もの歳月をかけて作成されました。ここに書かれている「事実」が世界中に衝撃を与え、温室効果ガス排出を削減させるための迅速な対応を促すことが期待されます。 ★
キャサリン ピアース/FoE インターナショナルの気候キャンペーナーのコメント
この報告書では、過去50年の気温上昇の責任は私たち人間にあるということと、すでに気候変動の影響が出始めていることが明白に示されています。気温の記録からは、すでに起こっている変化の証明と共にこれから起こる変化をも予測しています。もはや世界の科学者達が発する警告をこれ以上無視できない段階にきているのです。これらの調査報告から見ても、国際的なレベルにおける合意や対策のこれ以上の遅れは許されません。今日、世界中の政府がこの調査結果を受け入れました。米国を含む世界の工業国は自国の温室効果ガスの排出を大幅に削減させ、途上国の持続可能で低炭素経済の発展を支援し、さらに2013年以降の京都議定書次期枠組をより効果的にするための合意に向けてリーダーシップを発揮するべきなのです。 |
今日の発表資料は各政府によって一語一語チェックされた14ページからなる要約版です。最終報告版の合意プロセスの間、いくつかの国によって内容や文章を弱めようとする働きかけもありましたが、第一作業部会の共同議長により時間内により明確な内容を含む要約を作成させるべく最善がつくされました。
*IPCC第四次報告書 報告書は4つのセクションに分かれています。 [それぞれのセクションの公表日程] 2月2日・・・第一作業部会(Working
Group I):気候システム及び気候変動の関する科学的知見 4月6日・・・第二作業部会(Working Group II):気候変動の影響及び適応策と脆弱性 5月4日・・・第三作業部会(Working
Group III):温室効果ガスの排出抑制及び気候変動の緩和策 11月半ば・・・3つの作業部会の主要な調査結果を網羅する最終的な総合報告 [第一次作業部会の報告内容] 報告書は気候システムの非常に高度な観測結果に基づいて作成されています。物理学、化学、および空間分析によって19の気候モデルが作られ、将来の地球規模の気候の状態が予測されました。また気候変動の原因となる人為の温室効果ガスとその他の要因についても報告されます。
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気候変動の理解と対応による進展 ・ 大気、海洋、海面、雪、および氷の観測結果の示すこと ・ 過去数十万何年の間の気候の変化 ・ 今後の気候の変化予測 *
気候変動に関する政府間パネル(IPCC) 世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)が気候変動の潜在的な問題を認識し、1988年にIPCCを設立しました。IPCCは人間が引き起こす気候変動の科学的な根拠を求め、科学、技術、社会経済的な情報、影響と適応対策、緩和対策等の可能性について包括的、客観的かつ透明性を持って評価、研究しています。
IPCC第一次報告書(1990年発表)は、国連総会で気候変動のための政府間交渉会合(INC)を開催する際に重要な役割を果たしました。 その結果、気候変動問題への国際的な方針の枠組みを定める条約として、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)が1992年に採択され1994年に発効にいたりました。IPCCは定期報告と特別報告を通して国際社会とUNFCCCに科学、技術、また社会経済への提案と忠告を提出しています。
第二次報告書(1995年発表)は1997年の京都議定書の採択に影響を与えました。第三次報告書(2001年発表)はUNFCCCの第7回締約国会合に提出され、会合の議論のための重要な情報提供として参照されるべきものであると同意されました。 関連 IPCC
https://www.ipcc.ch
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