Friends of the Earth International プレスリリース
2006年10月30日

FoEインターナショナルは、法的拘束力のある目標を含む排出量削減関連政策は、今日発表された英国のスターン・レビュー〔１〕に従うべきであると主張しています。

気候変動による経済的なコストを研究したスターン・レビューは気候変動への対策コストには経済的な余裕が持てることと、破滅的な経済損失を避けるためには緊急な対策が必要とされることを示しています。このレポートでは気候変動への対策によって経済的な利益が生まれ、グローバル経済の1パーセントの投資で10パーセントの損失を避けることができると述べられています。

FoE インターナショナルの気候キャンペナー、キャサリン・ピアースは次のように言っています。「スターン・レビューは国際的なレベルでの緊急な対策の必要性を強調しています。我々はナイロビでの気候会合において、各国の大臣がこの警告を留意した上で、2012年以降の二酸化炭素の排出削減について交渉するべきであると訴えています。先進国での緊急な対策が求められています。グリーンテクノロジーは我々を低炭素社会へと導きますが、そこで必要とされるのが「投資」なのです。」

FoEインターナショナルのトニー・ジュニパーは「このレポートは従来の視点を気候変動の経済へと向けました。長い間、産業ロビイスト達は気候変動への対策は生産性がないと主張してきました。しかしそれは正しくなかったと証明されました。スターン・レビューは来週のナイロビの国際気候会合において、価値ある情報を提供できるでしょう。そして気候変動への取り組みに積極的でない国々を説得する材料となるでしょう。京都議定書はさらに強化され、他の国々が参加できる新しい方法が模索されなければなりません。」と述べました。

レポートは、何も対策をしなかった場合における干ばつや海面上昇による何百万人もの移住等による経済損失を予想しています。水へのアクセスは最も深刻な問題になるでしょう。また何百万種の生物が絶滅することになるでしょう。しかしニコラス・スターンは、汚染者（気候変動を引き起こした先進国）がその負担を背負えば、問題に取り組むことが可能となると述べています。

FoE インターナショナルは、航空機や自動車の代替となるより低価格で魅力的なものの開発を支援するためにも、環境税が増加する排出量削減関連政策の一部とならなければならないと主張しています。

トニー・ジュニパーは「世界がグローバル経済・社会の混乱、そして大災害を防ごうとすると、普遍的な政策や法律が国際・国レベルで必要です。テクノロジーは我々をグリーンな炭素社会へと導きますが、欧州連合全体の排出量はいまだ増加しています。政府は柔軟に対応し、全てのレベルにおいて気候に優しい政策を用いる必要があります。」と述べました。

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[1]スターン・レビュー関連情報
https://www.hm-treasury.gov.uk/independent_reviews/stern_review_economics_climate_change/sternreview_index.cfm

https://edition.cnn.com/2006/TECH/science/10/30/warming.report/index.html
https://news.bbc.co.uk/2/hi/business/6096084.stm
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報道記事https://www.foei.org/media/medialinks.html