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気候変動への取り組みは大きく後退:地球サミット

PRESS RELEASE
南アフリカ・ヨハネスブルク 2002年9月2日

本日の閣僚レベル会合で、再生可能エネルギー導入の数値目標を、全く盛り込まないことが合意された。これに対して、環境NGOは強い憤りを感じている。

長時間行われた激しい交渉の後、実施文書中のエネルギーと気候変動政策を取り扱うセクションから、再生可能エネルギー導入の数値目標に関するすべての言及が削除された。その代わりとして、「よりクリーンな」化石燃料と大型水力発電への補助金を途上国へ供与することが強調されている。NGOやブラジルをはじめとする国々のグループは、気候変動に対処するために、再生可能な自然エネルギーの一次エネルギー供給に占める割合を、2010年までに少なくとも10%に引き上げることが必要であると主張していた。

日本は、京都議定書の締結を完了しているのにもかかわらず、米国、そしてOPECと共同で妥協案を作った。この合意された文書では、持続可能な開発委員会第9回会合(CSD9)への言及を含んでいる。CSD9は、化石燃料と原子力発電を、持続可能な開発を助長するエネルギー源であるとしている。

また、この取引によって、電気サービスへのアクセスを現在持たない20億の人々に電力を供給するための、ターゲットや行動計画を生み出すこともできなかった。交渉担当者の間では、淡水とエネルギーの間で、非常識な政治取引が行われたという憶測が流れた。公衆衛生と淡水の項目ではターゲットが合意されたが、清潔な淡水を必要とする人々がクリーンで手ごろな価格のエネルギー供給を受けない限り、これらのターゲットを達成することは不可能である。

FoEインターナショナルのケイト・ハンプトンは次のようにコメントしている。

「地球サミットでは、気候変動に対する取り組みが裏切られた。これは、住居、職、そして生活を存続できるか否かが、温室効果ガスの削減にかかっている世界の何百万人の人々にとってとても悲しい結果だ。影響をうける大多数の人々は、このサミットで取組むはずであったエネルギーへのアクセスが不十分なままだ。」

私たちは、OPEC諸国、日本、そしてアメリカが共同で、世界の環境を破壊し、私たちの地球を危機に陥れるような態度をとったことに対し、強い怒りを覚える。この合意は、まるで釜に入って火をつけるような、馬鹿げた自己破壊的な行為だ。環境について真剣に取組んでいる国々にとっては、合意されたこの部分のテキストはひどいもので、拒否されるべき内容である。」


連絡先:
中澤 健一 FoE Japanプレス担当
nakazawa@foejapan.org, +27 72 401 5401

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