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FoE Japanは、世界自然保護基金、グリーンピースジャパン、ASEED JAPAN、気
候ネットワーク、環境エネルギー政策研究所、地球環境と大気汚染を考える全国市民会議と共同で1日、ヨハネスブルグ・サミットで再生可能な自然エネルギーを2010年までに世界の一次エネルギー供給の10%まで引き上げる目標に合意するとともに、世界的な自然エネルギー普及のための継続した国際協議をヨハネスブルグ・サミットから始めるよう求める要望書を、政府・環境省に提出しました。同様の趣旨で外務省、経済産業省とも話し合うことになっています。以下は1日、環境省との会談後、環境省記者クラブでお伝えした申し入れの概要です。
外務大臣 川口順子殿
経済産業大臣 平沼赳夫殿
環境大臣 大木浩殿
2002年8月1日
ヨハネスブルグサミットにおける再生可能エネルギー世界目標合意の要望
私達は持続可能な開発に関する世界首脳会議(ヨハネスブルグサミット)の成功を願う国際及び日本の環境市民団体(NGO)です。私達は、ヨハネスブルグサミットが成功するためには、世界実施文書及び政治宣言(タイプ1)でリオ以来の10年の評価を踏まえた、実効ある目標とそのための行動計画、必要な体制整備と資金措置が合意されることが最低限必要と考えています。
しかしながら、5月に開かれたバリ島での第4回準備会合以来の政府間交渉の状況を見るにつけ、あと数週間と迫ったヨハネスブルグサミットの行方に深い懸念を抱かざるを得ません。現在のドラフトテキストは、これまでの他の国連会合の合意内容を繰り返すのみで、一部ではそれすら合意に至らず、ヨハネスブルグまで持ち越されようとしています。数ある懸案の中で、とりわけ私達が懸念を抱いているのは、今回のサミットが10年来の環境と開発をテーマとした最も重要な国連の会議であるにもかかわらず、ヨハネスブルグから次のステップへと進むための新しい具体的な目標と行動計画が何ひとつ示されずにいることです。
今も、貧困の中で20億もの人々がエネルギーサービスへのアクセスを欠いている現実があります。人間の基本的なニーズを満たすために、世界が合意した2015年までの貧困半減というミレニアム宣言の達成が不可欠です。その観点から、私達NGOは、日本政府がヨハネスブルグサミットに臨むにあたり、世界実施文書もしくは政治宣言に於いて、以下を考慮し同様の趣旨を支持するよう要望いたします。
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2010年までに世界の一次エネルギー供給の10%を再生可能な自然エネルギーで賄うという目標を設ける |
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クリーンで供給が安定したエネルギーサービスへのアクセスを可能とするための行動計画を示しヨハネスブルグサミットから実施すること |
世界自然保護基金、グリーンピース
FoE INTERNATIONAL、A SEED JAPAN
気候ネットワーク、環境エネルギー政策研究所
CASA 地球環境と大気汚染を考える全国市民会議
〜エネルギー〜
ヨハネスブルグで目標に合意を!
全体のゴール
クリーンで手の届くエネルギーサービスをエネルギーにアクセスできずにいる20億の人々に提供し、また適切なサービス提供を欠く人々には省エネや他の手段を通じエネルギーサービスを改善すること。
目標
○2010年までに世界の一次エネルギー供給の10%を再生可能な自然エネルギーで賄う(再生可能な自然エネルギーの定義は風力、太陽エネルギー、潮力エネルギー、地熱発電、高効率で持続可能な形のバイオマス利用、(世界ダム委員会勧告に沿った10MW以下の)小水力とする)
○2015年までに貧困を半減する千年開発目標達成を進めるため、クリーンで手が届き供給が安定したエネルギーサービスへのアクセスを可能とするための行動計画開始
10%目標
10%の国別目標を全ての国が採る必要はないが、2010年までに世界の再生可能な自然エネルギーのシェアが10%に達するよう行動することに責任を負わなければならない。この目標はOECD/IEAにより決められた石油換算100万トン単位で表される一次エネルギーに基づくもので、発電量ではない。10%目標達成の実行計画の要素は、ヨハネスブルグサミットの後に続く過程で決められるべきだが、以下の要素を含むことが考えられる:
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全ての国について:
○世界10%目標を達成するための再生可能な自然エネルギーの国家目標採択。これは個々の国が10%を国内で達成することを意味するわけではなく、世界全体で10%の目標を達成することを考慮した国別目標と考える。
○国内エネルギー市場に於いて再生可能エネルギーの障害となる財政面、規制面、資金的な障害を無くす。これは2012年までに弊害を伴った通常エネルギー源への補助金廃止を含む。 |
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先進国について:
○再生可能エネルギーと省エネへの投融資に重点を移してゆくよう国際金融機関を指導
○再生可能エネルギーと省エネに信用供与の重点を移してゆくよう輸出信用機関を指導
○再生可能エネルギー目標を持つ国に技術移転を優先的に行う
○製造及び教育目的の能力育成計画を設置する。例)再生可能エネルギー面で他をリードしている国々の経験 |
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クリーンで手の届くエネルギーへのアクセス目標
エネルギーサービスを受けれずにいるこれら20億の人々にサービスへのアクセスを提供するための積極的な行動計画の開始に各国は合意するべきである。そのような行動計画の重要な要素はヨハネスブルグサミット後のフォローアップの中で議論されるべきである。すでに議長テキストに含まれている点に加えたそのような計画の具体的な要素としては:農村部の貧困層を対象とした、地域社会が住民のエネルギーニーズを満たすことを助けるような教育、能力育成、エネルギー計画、小規模事業や地元の仲介業者への革新的な資金支援、ODA他の手段を通じた追加の助成金ベースの資金給与を含む持続可能なバイオマス計画。クリーンで手の届くエネルギー源へのアクセスを増やすためのより細かい目標。既存レベルの倍増か数値目標で表されるかは後で合意できる。
これらの詳細目標の要素としては:
○X百万のより高効率なバイオマスストーブ
○太陽熱温水器を備えたX百万戸
○X百万個の太陽光調理器
○太陽光/風力で供給される地域グリッドで配電されるX百万戸
○家庭用太陽光システムか太陽ランプを備えたX百万戸
国際金融機関と輸出信用機関の実施計画
1. 配電へ投融資ー小規模事業や地域中間業者への斬新な出資を優先
2. 市場改革での手の届くアクセスー市場の枠組みの中で人々のニーズを優先。市場ルールの開発過程に市民参加
3. 技術面での障壁を取り除く
持続可能開発委員会(CSD)への報告義務
全ての国は毎年どのように世界10%目標達成とその行動計画目標達成に貢献しているかを報告しなくてはならない。これには:
1. 自国の国内目標、
2. 自国の輸出信用機関がどのように再生可能エネルギーと省エネへ重点を移しているか、
3. 国際金融機関にどのように再生可能エネルギーへ資金の重点を移すよう指示しているか、
4. 自国のODAでどのようにクリーンで手の届くエネルギーへのアクセスに優先順位を向けているか。
実行計画開始5年後には評価が実施されねばならない。
組織的枠組み
各国は最低年に一度実施計画を話し合い、クリーンかつ手の届くエネルギーへのアクセスを進めるための新たな創造的な手法を評価するべきである。この会合は国連計画、国連環境計画や国際エネルギー機関、地球環境ファシリティなどの国連機関からの代表を含むべきである。
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