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日本、米と同調し温暖化科学の中立性に介入?
IPCC(気候変動に関する政府間パネル) は80年代末に国連によって設立された世界のトップ科学者約3000人で構成される気候変動の国際機関で、昨年京都議定書ルール合意に至るまで常に温暖化の科学的知見を提供し、国際交渉のバックボーンを成してきた機関です。現在の議長はロバート・ワトソン博士で世界銀行の科学アドバイザーチーフでもあります。現地時間17日から20日までスイス・ジュネーブでこのIPCCの年次総会が開催されていますが、今回の総会では議長の二期目再選も議題の一つになっています。議長の任期は5年、これまで通例として二期まで議長職をつとめてきました。しかし今回米国は同議長の推薦をせずインド出身の科学者を押す立場で臨んでいます。ワトソン博士は地球規模での気候変動の影響を測る第三次評価報告書をまとめるなど非常に困難な責任を担う中、その科学的中立性、指導力が高く評価されてきました。

しかしその評価報告書が気候変動・温暖化の事実を確認・強い警鐘を鳴らするに至り、ブッシュ政権および国務省に米石油産業から同議長を排除するよう強力なロビー活動が図られたことが報道されています。出身国という政治性での議長選出に対し科学的中立性から疑問が示される一方で途上国からの議長選出に前向きな声もあり、妥協案として先進国・途上国の二議長制が提案されています。議長再選阻止のロビー活動の中核になったのは現在も温暖化を否定し米国の京都議定書参加に反対する世界最大の石油企業エクソン・エッソ社で、ブッシュ政権に強いパイプを持つと言われる同社の送った手紙がリーク報道されています。明日までの投票で議長が確定しますが、日本の政府代表は途上国出身議長を推しつつ同時に二議長制に反対、他の先進国の妥協案支持にかかわらず、事実上ワトソン博士再選に反対していると伝えられます。もともと米国の推薦があれば難なく終えたであろう議長選任が報道されているような企業ロビーによって覆るようであれば、IPCC自体の科学的中立性に疑問を呈す口火ともなり、科学的知見によって支えられてきた困難な国際交渉の今後にも響くことが予想されます。環境省地球環境局総務課研究調査室が日本政府のIPCC担当で代表を送っています。このような動きに懸念をもたれた方は、現在の日本の投票ポジションやその背景説明のため以下にお問い合わせ下さい。<環境省地球環境局総務課研究調査室 03-5521-8247>またこの件でのエクソン社への抗議の国際的アクションが以下で(英語)できます。<https://www.foei.org/cyberaction/exxon.php

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