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ケニア、ソンドゥ・ミリウ水力発電事業に関する質問主意書 |
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現在、ケニア共和国西部で日本政府の支援によってソンドゥ・ミリウ水力発電事業が進められている。本件については、これまでも質問主意書ならびに衆議院外務委員会などで問題点を指摘してきた。政府は昨年10月10日に条件付きで第二期分への円借款を進める旨をケニア政府に伝えているが、日本政府としてケニアの貧困削減のための環境円借款の供与を決定するにあたっては、さらに検討すべき重要な課題が残されているのではないかとの視点から以下質問する。 |
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1:水力発電事業の妥当性 |
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本事業は半乾燥地帯での水力発電事業であり、地域の水供給の確保と水力発電事業への水量確保の両立は必要不可欠な課題である。本事業に関わる地域の水供給の確保はこれまで十分な配慮がなされてきたとは言えないが今後は再調査が行われ改善が進むものと期待している。
一方、特に乾季における地域への水供給を確保するためには、水力発電事業への水量確保に影響が及ばざるを得ないとの認識のもと、乾季においては取水および発電を一時停止することも含め、現地における水供給確保を最優先するとの判断は大いに評価するものである。
河川流量の変化に伴う発電計画の見直しは具体的にはどのように進められているのか。ご提示頂きたい。また、その際の事業の経済性についての再調査の内容についてもご提示いただきたい。 |
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2:水力発電事業の上流の森林破壊 |
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ソンドゥ川上流のマウ森林ではケニア政府の入植計画により森林の破壊が進み、2001年10月27日付のNation紙によると、東マウ森林で35,301 ヘクタール、南東及び西マウ森林で24,109ヘクタール、 西マウ森林で 324 ヘクタールとマウ森林だけで60,000 ヘクタールが伐採されることになると発表されている。
今後も急速にソンドゥ川の水源であるマウ森林の伐採が進むと土砂流出が激しくなり、土砂堆積が予想以上に急速に進む可能性があるのではないか。また、水源が保水力を失うことによって、そうでなくても不安定な雨季と乾季を通じての発電事業への安定的な水供給が非常に難しくなるのではないか。
土砂流出を防ぎ、安定的な水供給を確保するための具体的な対策をご提示頂きたい。 |
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3:事業による河川流量の変化および周辺住民の生活への影響 |
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事業実施機関が河川維持流量の見直しを行うことはこれまでの議論の中で確認されたが、その後、具体的にはどのような措置が講じられているのか。また、計画どおりに行われていないと答弁のあった水供給プロジェクトはその後どのように進行しているのか。 |
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4:汚職の問題 |
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本事業に伴う補償に関する汚職や工事現場での雇用における賄賂の問題については、技術委員会でも指摘されているところである。また、8月には世界銀行への返済金約200万ドルが流用されるという大規模な汚職がケニア電力公社で起こっている。こうした事実を踏まえて、本事業に伴う資金の流れについてのモニタリング体制や監査システムを導入する必要があると考えるが、政府の見解をお聞きしたい。 |
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5:人権の問題 |
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これまで本事業に関わる社会・環境の問題を指摘してきた地元の活動家3名は、間違った情報を日本に送付した、許可なくプロジェクトサイトに立ち入り身分証明書を求めたところ抵抗し、地元警察を攻撃するように地域住民を扇動した、等の理由でケニア国内において告訴されている。しかし、3名はいずれも本案件の社会環境問題の指摘を当初から行い、問題解決に向けてもっとも力を尽くしてきた人物である。
ケニア国内での裁判であるとはいえ、活動家の人権や発言の自由を妨げるような状態のままで日本政府が事業への借款を供与することはODA大綱にある「人権の尊重」の理念に反するものである。日本政府は借款供与を決める前に、活動家の告訴が取り下げられることを確認する必要があると考えるが、政府の見解をお聞きしたい。 |
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6:生計手段の確保 |
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本事業が貧困削減を目的とする中で、事業に伴い土地を失い生計手段を失った人々が更なる貧困状態に陥らないために、必要な生計手段の確保とフォローアップの体制を整える必要があると考えるが、これまでにどのような対策が行われているのか今後の計画も含めて示されたい。 |
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7:日本政府のモニタリング体制 |
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本案件の工事は99年から始められているが、技術委員会で挙げられてきた問題は、今年1月の住民集会以来ようやく把握されてきた問題で、これまでの日本政府や国際協力銀行のモニタリング体制や事業管理の体制に問題があったといわざるをえない。今後様々なプロジェクトを推進する上で、地元住民から挙げられる課題を適切に把握し、対応していくために日本政府として今回の経験をどのように活かしていくのか。具体的な案があれば提示されたい。 |
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右、質問する |
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