多目的ダムの水没予定地
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スマラン総合水資源・洪水対策事業とは、インドネシア中部ジャワ州スマラン市で計画されている多目的ダムの建設、河川の改修、排水整備を実施するものです。
事業実施により、264世帯の住民移転、283世帯の農地収用、498世帯の小店舗移転がされることになりますが、現在そのプロセスが適切に進んでいるとは言えず、このまま事業が進んだ場合に住民に与える影響が懸念されます。
同事業には日本の政府開発援助(ODA)が案件形成から実施まで深く関わっており、同事業の効果、地域の環境・社会に配慮したものになるか等、事業の成否には日本にも大きな責任と役割があります。
また同事業は、2003年10月より施行されている旧国際協力銀行(JBIC)の環境ガイドラインが完全適用される案件です。環境ガイドラインは、開発事業による環境・社会への影響をどのようにしたらなくしていけるのかを、行政関係者、旧JBIC職員、学識経験者、FoE
Japan等の市民社会が議論を重ねたものが基礎となって策定されました。
そのようなプロセスを経て策定された環境ガイドラインは、国際的にも非常に高いレベルのガイドラインといわれています。しかしその真価は、実際のプロジェクトにおいて、負の影響がいかに回避・緩和できているか否かによってはじめて判断することができます。
私たちは、同事業において適切な回避・緩和策がとられるよう、現場での改善を求めるとともに、そこから導き出される教訓を環境ガイドラインの政策提言に生かしていきます。
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