3日午後、宇佐美 登 衆議院議員および岡崎 トミ子 参議院議員が経済産業省、また、財務省を訪問。「フィリピン・ミナンダオ石炭火力発電事業に関する保険提供・融資拠出の停止についての申入書」を中川
昭一 経済産業大臣、谷垣禎一 財務大臣宛てに提出しました。同申入書には、両議員のほか、金田 誠一、佐藤 謙一郎、前田 雄吉、村越
祐民 各衆議院議員(以上、五十音順)が賛同を寄せています。
同事業については、公害による健康被害や立ち退きによる生活そのものへの影響など、地元での環境社会影響が非常に懸念されており、地元住民グループは事業の中止を求めてきました。今年5月には、地元グループの代表が来日。彼らの同事業への懸念やNEXI・JBICの対応の問題点を日本の市民にも訴えました。現在も、地元での反対運動は続けられています。
一方、こうした現地での問題や懸念について十分に確認をした上で、同事業への関与を決定するべき日本貿易保険(NEXI)や国際協力銀行(JBIC)といった政府系実施機関は、地元住民グループとの現地での直接対話も行なわないまま、昨年12月に保険の付与、および、融資の供与を決定してしまいました。
こうした状況を受け、今回の申入書では両省庁の監督下にあるNEXIおよびJBICに、
(1) 事業の影響を懸念する地元住民との直接の対話を含む現地調査の実施
(2) 保険提供/融資の停止という選択肢も含めた現地調査後の適切な対応
(3) 事業の影響を懸念する地元住民も含めたステークホルダーへの説明責任
(4) 地元での問題が解決されるまでの保険提供/融資拠出の停止
を行なうよう、要望がなされました。
申入書の全文は、こちらでご覧ください。(PDFファイル)
>経済産業省宛て申入書
https://www.FoEJapan.org/aid/jbic02/minda/letter/pdf/20041203a.pdf
>財務省宛て申入書
https://www.FoEJapan.org/aid/jbic02/minda/letter/pdf/20041203b.pdf
同要望書の提出を受けての、宇佐美・岡崎両議員に対する経済産業省 小此木八郎 副大臣による回答は、「フィリピン国内で同事業への環境許可証も発行されており、NEXIおよびJBICのガイドライン上も問題はない。三年間のモニタリングも行なう。国策なので、ここですぐに「はい」とは言えないが、要望書が出たということはそれなりに重く受け止める。」というものでした。
NEXIおよびJBICは2002年4月、新環境ガイドラインを制定しましたが、「深刻な環境・社会影響を及ぼす事業への保険・融資の提供を回避する」という同ガイドラインの精神を尊重しないまま、依然として、同事業のような環境社会影響の懸念される案件、また、地元での社会的合意が取れていない案件への関与を続けいます。今後も引き続き、両機関の対応を注視していく必要性があります。
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