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国際協力銀行(JBIC)が国際金融等業務で融資を検討している石炭火力発電所計画に、現在、地元の住民やNGOグループから反対の声があげられています。
事業を推進するのはフィリピンとドイツの現地合弁企業。日本からは川崎重工、日商岩井が同事業に参画することとなっています。発電される電力(210メガワット)は、フィリピン電力公社(NPC)が25年間、買い取る契約となっており、その後、発電所がフィリピン側に移譲されることとなります。発電所の建設予定地は、フィリピン・ミンダナオ島北部の中心都市カガヤン・デ・オロ市から約20キロメートル東にあるヴィラヌエバ町で、約3000ヘクタールにもわたって広がるフィビデック工業指定地域のなかに位置しています。
しかし、現地に一歩足を踏み入れると、「工業指定地域」という名から連想される光景はどこにもなく、そこには見渡すかぎりのコーン畑が広がっています。また、海岸沿いには漁をしている小さな漁船を見つけることもできます。そこは、農業や漁業で生計を立てている人々が大勢暮らしている「工業指定地域」なのです。そして、その彼らのコーン畑の中に発電所(約55ヘクタール)、送電線、水供給パイプラインが、また、彼らの漁場であるマカハラー湾沿いに、石炭積み下ろし用の埠頭を建設するというのがこの火力発電事業です。地元では、この事業計画の話を受け、2001年から反対運動が続けられています。
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<州庁舎前での抗議活動>
「ミンダナオに石炭火力発電所はいらない!」と書いたバナーを掲げる地元の住民とNGOグループ(2003年6月30日 FoE Japan撮影)
<発電所の建設予定地とその周りに広がるコーン畑>
フィビデック工業指定地域内の建設予定地はすでにフェンスで囲まれているが、そのすぐ外ではコーンの栽培が続けられている。(2003年6月27日 FoE
Japan撮影)
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