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持続可能な開発フィリピン評議会・市民団体メンバー 決議文 (2002.12.06)
2002年12月6日


持続可能な開発フィリピン評議会・市民団体メンバー
2002年 決議文 No.1

持続可能な開発フィリピン評議会に向けたミサミス・オリエンタル州ヴィラヌエバの
ミンダナオ石炭火力発電事業の承認に関する調査依頼決議文


 ケソン市アテネオ・デ・マニラ大学社会組織研究所において開かれた、持続可能な開発フィリピン評議会・市民団体メンバー会議、議事録より抜粋


ミサミス・オリエンタル州ヴィラヌエバのミンダナオ石炭火力発電事業は、周辺住民の強い反対や事業自体の妥当性に数々の問題を残したまま、建設開始の認可が下りている。

1994年に事業概要が出来てから2001年に至るまで、ラモス政権下で承認された35の独立系発電事業契約の一つであるこの事業に関して、ミサミス・オリエンタル州の住民には何も知らされていなかった。

ミサミス・オリエンタル州、特にヴィラヌエバ町とタゴロアン町の住民との協議は、2001年に事業推進者が環境影響評価を取り行なった際、行われただけとなっている。

この事業は、ミサミス・オリエンタル州ヴィラヌエバのフィビデック工業地域内にある第一級の農地にて行われ、これにより貧しい農民と漁民合わせて約500人が退去に追い込まれる。

また、直接影響を受ける周辺住民や市民社会団体の主張は、プロセスの透明性のないままに一切取り上げられず、協議は不完全で一方的なものになっている。

さらに、この事業は経済的にも財政的にも合理性がないとの研究結果も出ている。国家経済開発庁(NEDA)の第10地方局による地方開発評議会・社会基盤部会に向けた事業評価報告によると、今回の事業は政府の定めた基準を満たしていない。その要旨は以下のようになっている。

(1) 事業の正味現在価値はマイナスである。

(2) 事業の経済・財政上の内部収益率は、所定の基準以下である。

(3) というのも、もし事業が実行に移されれば、25年の契約期間の間に年間5億3,000万ペソもの補助金が必要となるため。

国家経済開発庁第10地方支局によるこのような結果を受けてもなお、地域開発評議会はこれを無視し、事業への支持を表明している。

独立発電事業体(IPP)の諮問委員会が今年7月に出した報告では、今回の事業を、独立発電事業体(IPP)の事業の中で、財政的問題が未解決である11の事業の一つとして認定している。

また、石炭は最も汚染のひどい化石燃料であり、その燃焼により有害物質が発生して、公衆衛生と環境に対し多大な損害をもたらすことは、数々の研究や書類から明白な事実として確認できる。

ミサミス・オリエンタル州の住民たちは、100以上の住民組織、NGO、宗教団体で構成される、People's CAMP(ミンダナオ石炭火力発電所の建設に反対する住民運動)を通し、事業への反対を訴え続けている。

この反対運動はまた、先日の「国連持続可能な開発世界サミット」でのフィリピン政府の合意事項やその他の国際条約によって定められた、再生可能なエネルギー利用の推進という世界的な潮流とも流れを一にしている。

さらに、長年の事業反対運動の結果、アクイリノ・Q・ピメンテル・ジュニア上院議員(The Honorable Senator Aquilino Q. Pimentel, Jr.)は、この事業に関する上院審査を求める上院決議470を提出した。


我々は、持続可能な開発フィリピン評議会に対し、(1)地域社会の意向を無視した今回の事業承認にいたる過程に関し、徹底的な調査を行うこと、また(2)再生可能なエネルギーの利用促進と「国連持続可能な開発世界サミット」への合意を表明しているフィリピン政府による、石炭火力発電所建設の推進に関し、徹底的な調査を行うこと、を求めることを決議する。

さらに、我々は、持続可能な開発フィリピン評議会に対し、環境適合証明書を始めとした、これまでに発行された全ての許認可の取り消しを今回の事業を承認した地方開発評議会や環境天然資源省等すべての政府機関に対し要求するよう、求めることを決議する。

最後に、フィリピン・ケソン市にて、持続可能な開発フィリピン評議会・市民団体メンバー会議の結果として、2002年12月6日付け、ここに決議する。


証明

書記長
ペーラ・ビソーロ(Perla Visorro)


承認

議長
デルフィン・ガナピン(Dr. Delfin Ganapin)



(この文章は、FoE Japanのボランティアの方に翻訳していただきました。)
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