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インドネシア・チレボン石炭火力発電事業
【共同プレスリリース@COP22】インドネシアへの石炭関連融資のストップを!
気候変動との闘いにとって不可欠
※本プレスリリースは、グリーンピース・インドネシア、オックスファム・フランス、Friends of the Earth International、および、FoE Japanが、COP22会場(マラケシュ)での記者会見(2016年11月17日 現地時間16:00)にあたり、共同で発出したものです。 記者会見の模様は、こちらのページからご覧いただけます。
https://unfccc.cloud.streamworld.de/webcast/stopping-coal-finance-for-indonesia-foei-and-allie
(写真)2016年6月6日、インドネシア・バタン石炭火力発電事業への融資決定に抗議するJBIC前でのアクション
この2ヶ月の間にも、日本の国際協力銀行(JBIC)はインドネシアで汚染をもたらす2つの大型石炭火力発電所への融資を決定しようとしています。すなわち、西ジャワ州チレボン石炭火力発電所(2号機)、および、中ジャワ州ジェパラ県のタンジュンジャティB石炭火力発電所(5、6号機)ですが、これらの(新規)発電所の総容量は3000メガワットにものぼります。
6ヶ月前、JBICは東南アジアで最大級となる中ジャワ州バタン石炭火力発電所への融資を決定したばかりです。同発電所については、すでに甚大な社会・環境被害を引き起こしており、また、今後、気候変動に多大なる影響を及ぼします。
フランスの民間銀行Crédit Agricoleも、JBICとともにチレボンとタンジュンジャティB石炭火力発電所への融資を検討中です。この動きは、Crédit Agricoleがつい最近「新規の石炭火力発電所への融資供与を停止する」という公約を発表したことと矛盾します。Friends of the Earth France、Banktrack、Oxfam Franceを含む世界中の市民社会は、マラケシュでCOP22が開催される数週間前に気候変動問題に対する新たな公約を行なっにもかかわらず、これまでのように石炭関連融資を継続しようとしているCrédit Agricoleのダブル・スタンダードを批判しています。市民社会は、Crédit Agricoleがこれら2つの有害な石炭火力発電所への融資を行なうべきでないと主張しています。
チレボンでは、ほぼ毎日のように現地住民が抗議活動を行ない、既存の石炭火力発電所による深刻な被害を訴えています。(インドネシアの首都ジャカルタの)日本大使館前でも、抗議活動が行なわれており、また、先週には、(チレボンの)現地住民がJBICジャカルタ事務所で正式な「異議申立書」を提出しました。彼らは、既存のチレボン発電所の閉鎖とチレボン拡張発電所への融資の拒否を要求しています。
「インドネシアの現地住民はチレボンの発電所拡張計画やその他の日本が融資する石炭火力発電所への抗議を続けています。私たちは日本やフランス、また、他のどの国であっても、インドネシアでこうした破壊的な事業に融資してほしくありません。インドネシアのこうした発電所計画は、エネルギーへのアクセスがない貧困層のニーズを満たすものではなく、企業に貢献するものです。インドネシアは石炭とともにある将来という報いを受けるべきではないし、それは受容できません。インドネシアの将来を汚染をもたらす石炭で闇の時代に押しやらないでください。」とグリーンピース・インドネシアのArif Fiyantoは述べました。
「国際協力銀行(JBIC)は日本政府100%出資の政府機関ですが、私たちの公的資金を使って、海外の破壊的な事業に融資を行なっています。今年もすでに、深刻な問題が指摘されているインドネシアのバタン石炭火力発電事業への融資を決定しました。こうした方針は受容できるものではありません。私たちはインドネシアであろうと他の国であろうと、こうした石炭火力発電所への融資をJBICが停止するよう要求します。」とFoE Japanの深草亜悠美は述べました。
「フランスの銀行については、最近、石炭関連事業への融資を止めるという闘いのなかで勝利したわけですが、Crédit Agricoleは依然としてチレボン石炭火力およびタンジュンジャティB石炭火力の拡張計画に融資を行なおうとしています。私たちが気候変動の災害に直面している現在、彼らのいかなる石炭関連事業への融資ももはや受け入れることはできません。私たちは両石炭火力発電所への融資をただちに止めるよう要求します。」とオックスファム・フランスのArmelle Le Comteは述べました。
「石炭やその他の汚染をもたらすエネルギーを止め、現場でこうした闘いを牽引しているコミュニティーを支援することは、気候変動の危機を食い止めることに向けた大きな道筋を示しています。これらの事業は気候変動の被害をもたらすだけでなく、コミュニティーや労働者にも被害をもたらし、土地収奪を引き起こし、また、大気や水を汚染します。同時に、電気へのアクセスのない人口が地球上で12億人にのぼるなか、私たちはエネルギー・アクセスの危機にも直面しています。私たちはそうした住民へのエネルギーを必要としているのであり、企業やエリート層へのものではありません。私たちは今、エネルギー面での抜本的な変化を必要としています。」とFoEインターナショナルのDipti Bhatnagarは述べました。
本件に関する詳細なお問い合わせはこちら:
- Arif Fiyanto, Greenpeace Indonesia. E-mail: arif.fiyanto[at]greenpeace.org. Phone: +62 811 1805 373.
- Ayumi Fukakusa, Friends of the Earth Japan. E-mail: fukakusa[at]foejapan.org. Phone: +81 80 6917 0794.
- Armelle Le Comte, Oxfam France, E-mail: alecomte[at]oxfamfrance.org. Phone: 0033 6 85 13 89 58
- Dipti Bhatnagar, Friends of the Earth International, E-mail: dipti[at]foei.org. Phone: +212 6 95 54 61 07.
本件に関する一般的なお問い合わせはこちら:
メディア・コーディネーター: Leonie Beunen (Friends of the Earth International). Mail: leonie[at]foei.org. Phone: 0031 6 51 00 56 30. Whatsapp/ sms: 0031 6 52 08 80 75
※インドネシア・西ジャワ州チレボン石炭火力発電事業について
1号機は、丸紅(32.5%)、韓国中部電力(27.5%)、Samtan(20%)、Indika Energy(20%)の出資するチレボン・エレクトリック・パワー社(CEP)がインドネシア国有電力会社(PLN)との間で30 年にわたる電力売買契約(PPA)を締結。総事業費は約8.5億米ドルで、融資総額5.95億ドルのうちJBICが2.14億ドルを融資した。2012年に商業運転が開始されている。
2号機は、丸紅(35%)、Indika Energy(25%)、Samtan(20%)、Komipo(10%)、中部電力(10%)の出資するチレボン・エナジー・プラサラナ社(CEPR)がPLNとの間で25年にわたるPPAを締結。総事業費は約20億米ドルにのぼり、うち8割程度について、現在、JBIC、韓国輸銀、日本・フランスの民間銀行団が融資を検討中。現場では本格着工に向け、アクセス道路の整備や土地造成作業などが進められている。2020年に運転開始見込み。
詳細はこちら → https://www.foejapan.org/aid/jbic02/cirebon/background.html
●関連WEBサイト
「JBICの石炭発電融資にNo!」プログラムについて → https://sekitan.jp/jbic/