NGO・6団体が呼びかけ団体となり、インドネシアへの原発輸出に反対する緊急キャンペーンを始めました。
ムリア原発が計画されているインドネシアの三県(ジュパラ県、クドゥス県、パティ県)では、インドネシア政府から現地住民への説明が全く行われておらず、住民の不安を招いています。現地関係者によると、計画地付近の漁民、農民、労働者の約半数が計画に反対しています。
一方、反対の声をあげる住民に対する言論抑圧の懸念もあげられています。
このような事業が進められる場合、事業実施に先立った早期の段階から、事業実施者(インドネシア政府)が現地住民に対して説明を行うのが、あるべき姿ではないでしょうか。
以上のような状況から、日本政府・企業は、この事業に対する輸出の支援をするべきではないというスタンスに立ち、FoE
Japanはムリ無理キャ ンペーンに参加しています。
みなさまのご協力をお願いします。
「ムリ無理」ってなぁに?
〜日本のインドネシア原発輸出を止めよう!〜
●日本から海外へ輸出される原発
日本には、55基の原子炉(17の発電所)があります。しかし、住民の反対運動により、国内では、新たに原発を建設することが難しくなっており、メーカーは、海外への輸出を狙っています。そのひとつがインドネシアです。
インドネシアでは90年代、ジャワ中部のムリア半島で、初の原発建設が計画されます。91〜96年、関西電力の関連会社であるニュージェックが、実行可能性調査を実施し、日本の輸出入銀行(現・国際協力銀行)が、その調査費用を融資しました。つまり、日本政府・企業がインドネシアの原発建設に積極的な支援をおこなっていたのです。
この計画は、インドネシアや日本の市民による反対運動、さらに97年のアジア経済危機の影響で中断されました。ところが2002年になって、原発建設計画が再燃。現在、ムリア半島に設備容量400万kW以上の原発建設が計画され、08〜09年入札、10年〜11年着工、16〜17年運転開始予定と、急ピッチで進められています。
●ムリア原発建設に関心を示す日本
日本政府・企業の資金・技術などによって、このムリア原発が建設される可能性は小さくありません。経済産業省は06年から5年間、「アジアの原子力発電支援」を決定、06年3月には資源エネルギー庁を中心とする官民合同ミッションをジャカルタに派遣しています。
JETROは07年2月、ジャカルタで、インドネシアの原子力規制庁や商工会議所と原発に関するセミナーを開催するなど、原発建設への支援をはじめています。また三菱重工(株)がインドネシアでの原発建設に強い関心を示しているとも伝えられています。
地球温暖化対策、日本のエネルギー安全保障のため、原発建設を推進しようとする動きもありますが、本当にそうなのでしょうか。一緒に考えませんか。
●「ムリアは無理や」
住民参加の原則は?
・・・ 原発建設計画が進む一方で、原発予定地付近に住む人たちへは、なんら公式の説明はありません。
地震・火山、だいじょうぶ?
・・・ 原発建設予定地のジャワ中部では、06年5月、5000人以上の死者を出した大地震が起きています。
これ以上の債務?
・・・ インドネシアの対外債務は公的・民間合計1300億米ドル。うち3分の2が日本からのものです。
債務返済は、インドネシアの財政を圧迫しています。
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