5団体は2004年10月に「森林生態系に配慮した紙調達に関するNGO共同提言」を発表しているが、今回の提言は建材や家具などの木材製品に焦点を当てたものである。木材製品を調達・販売、またはそれら木材製品を使用した建築物を発注するすべての企業や行政機関を対象に、下記6つの指針に沿った調達方針および時期や数値目標を含む行動計画(アクションプラン)を作成・公表し、さらに供給業者に対して同様の取り組みを要求することを求めている。
多様な生態系を支える森林の破壊的な伐採は、今後も悪化が懸念される地球規模の環境問題であり、解決のためには、木材の生産国と消費国双方の努力が不可欠である。共同提言を発表した5団体は、各企業や行政機関が社会の責任ある構成員として、森林破壊を火急に解決すべき問題と認識し、それぞれが実効性のある木材の調達方針を持つことを求めていく。
欧米では1990年代末以降、オールドグロス林など保護価値の高い森林から産出された木材の利用や販売を停止するといった方針を発表する企業が出始め、このような森林環境に配慮した木材調達方針を立てることで世界の森林の保全に貢献している企業は、現在約60社注1*に上っている。
行政機関においても、英国の中央政府が既に、合法性と森林の持続可能性が保証された木材のみを調達対象とする旨の方針を打ち出している。日本政府も同様に、「グリーン購入法(国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律)」を用いて、調達する木材の要件として合法性ないし持続可能性の証明を求めるよう同法の基本方針を見直し、4月1日より施行を予定している。
施行予定のこれらの証明と同時に、各企業や行政機関が、以下の提言内容も確認していくことを5団体は求めていく。
調達方針の制定を促す活動の一環として5団体は、木材を取り扱う約400の主要な組織に対し、木材の調達方針などに関するアンケート調査を実施する予定である。
本日発表した共同提言の骨子は次のとおり。