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ボン会合(国連気候変動条約第30回補助機関会合、AWG-LCA6、AWG-KP8、)


麻生首相のお面をつけて日本の責任を求めるデモンストレーション

2009年6月1日から12日まで、ドイツのボンでで国連気候変動枠組条約第30回補助機関会合(SB)及び条約特別作業部会(AWG-LCA6)、京都議定書特別作業部会(AWG-KP8)、が開催されました。

京都議定書第一約束期間終了後(2013年以降)の次期枠組み合意の期限を今年12月のコペンハーゲン会合に控えて、いよいよ交渉も本格化していきます。京都議定書の規定により、この6月に京都議定書改正案が通知されなければならないこともあり、今回のボン会合で出された議長案の交渉文書、改正案をもとに次期枠組の内容が議論されました。また、今会議の会期中に、伸ばしに伸ばした日本の中期目標がやっと発表されると報道されていたことからも、世界中から注目が集まりました。

UNFCCCボン会合公式ページ (英語)

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ボン会合の結果

コペンハーゲンで合意される次期枠組みは、京都議定書を改正したものになるのか、まったく新しいものになるのかいまだ決まっていません。そこで、アメリカも含んだ気候変動枠組み条約の下で枠組みのあり方を議論する特別作業部会と、京都議定書の下で先進国の削減義務を議論する作業部会が、同時進行で進められています。どちらの作業部会も、バリ行動計画によって、コペンハーゲン会合までに結論を出さなければならないことになっています。ボン会合直前に条約及び京都議定書の両作業部会でそれぞれ議長から交渉文書が示されました。それらの文書の中に併記されるいくつものオプションについて議論、精査しながら合意に向かうはずでした。特に、今回の会合中に先進国の削減目標が示されることが求められていました。しかしながら、少しでも責任を逃れようとする先進国と途上国の溝は深まるばかりで、期待された前進はほぼ見られませんでした。

◆気候変動枠組み条約第6回特別作業部会(AWG-LCA6)
ボン会合を前に出された議長案の「交渉文書」をもとに議論され、次回の会合(ボン非公式会合、8月)に向けて、「バリ行動計画」で合意された主要要素(共通のビジョン、適応、緩和、資金、技術)を含んだ200ページの文書にまとめられました。しかしながら、各議題における合意形成には程遠く、めぼしい結論は出ませんでした。

京都議定書第8回特別作業部会(AWG-KP8)
次期枠組みがコペンハーゲンで合意に至るためには、今会合までに2013年以降の先進国全体のの削減幅を合意することが求められていました。しかしながら、削減数値は森林の扱い等様々なルールによると主張し、さらに京都議定書に批准していない主要排出国の参加を求める先進国と、早急な合意を求める途上国の間で対立が深まったまま、合意には至りませんでした。

積み残された多くの課題は、次回8月にボンで開催される非公式会合と、9月のバンコクの特別作業部会に持ち越されます。合意期限までいよいよ時間がなくなっています。日本を含めた先進国の誠意ある潔い決断が求められます。

【今後の交渉の予定】

8月10日〜14日
9月18日〜10月9日

12月7日〜18日
ボン
バンコク
コペンハーゲン(デンマーク)

気候変動枠組み条約、京都議定書特別作業部会非公式会合

条約第7回特別作業部会、京都議定書第9回特別作業部会

気候変動条約第15回締約国会合(COP 15)
京都議定書第5回締約国会合( CMP 5)

 

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ボン会合にFoEが求めたこと



宿題採点表

■宿題はやってきた?

コペンハーゲンで合意するために、先進国は今回のボン会合までに各国および先進国全体の削減を示すことが求められていました。2007年12月にバリ行動計画が策定されてから18ヶ月の期間と、今年4月に開催されたボンの作業部会でも再確認されてから、各国は国内の合意形成時間をもてたはずです。FoEは、先進国が宿題をちゃんとやってきたかどうか採点しました。

採点表はこちらから(英語/pdf)

 

■気候変動に脅かされる人々の権利を守れ!

気候変動は、世界中の何10億もの人々の命や人権を脅かします。交渉が本格化し、政治的な駆け引きが行われる今、不公平な国際社会、国際経済の中で抑圧され、気候変動影響に苦しむ人々の人権を守ることが重要視されなければならず、FoEは以下を求めています。

・地球規模での削減を目指し、拘束力のある義務を伴う国際枠組みにより、確実に気候変動緩和を行い、気候変動に脆弱な人々の人権を守らなければなりません。先進国は2020年までに1990年比で40%削減(オフセットなしで)するべきです。

・気候変動への適応対策においては、人権が保障されなければなりません。

・CDMやオフセット事業、REDD関する議論においては、先住民族・住民の権利の保護が十分に考慮されなければなりません。

・各国の国内対策政策立案において十分な市民参加が保障されなければなりません。

・次期枠組みの資金メカニズムを含む全ての気候変動交渉における人権配慮の主流化が必要です。

■カーボンオフセットの欺瞞
FoEは、特にカーボンオフセット(森林利用を含む)は特に人権を脅かすシステムであると強く懸念しています。

オフセットは誤った対策です。先進国は、お金を出すだけで自らの削減を怠ることを許容されてしまいます。また、オフセット事業により途上国の持続可能な開発を謳っていたとしても、資金・技術支援としては十分ではなく、さらに削減量にのみ焦点が当りがちなため、現地の自然生態系や社会に負荷を及ぼしてしまうこともあります。オフセットを途上国支援の手段にしてはなりません。

FoEは、この度カーボンオフセットに関するレポートを発行しました。以下からダウンロードできます。
FoEのカーボンオフセッティングに関するレポート(pdf/英語)

FoEのカーボンオフセッティングに関するレポート

■「おいしいルール」の誘惑

京都議定書では、先進国の森林等が吸収した二酸化炭素を削減量とみなし、自国の削減目標達成に使えるルールがあります。日本は、第一約束期間の排出削減目標-6%の内、森林の吸収量に-3.8%も頼っています。

ところで、森林は吸収もすれば排出もする「生き物」です。本来であれば自然の摂理に従い、吸収量を評価するのと同時に排出量も適切に計上されるべきです。しかしいくつかの先進国から、「吸収」だけを評価し、「排出」を計上対 象から外そうとする提案があり、じりじりとそうしたルール作りへ議論が向か っているように見えます。

こうした「おいしいルール」の誘惑が途上国にも広がりつつあります。 「途上国における森林減少・劣化の防止による排出削減対策(REDD)※1」の本来の目的は、生物多様性の豊かな熱帯雨林の減少の防止をすることです。しかし、「森林の持続的経営」、「森林の炭素ストック(すなわち吸収源活動)の強化」という合言葉のもと、極度に森林を破壊するのでなければ、伐採活動を行いつつも吸収量を獲得できることとするという案も出てきています。

実際の吸収と排出を忠実に計上するルールを作り、特にREDDについては森林減少を防止する目的に沿った議論を進めていく必要があります。FoE Japanはこ うした問題意識を、ボンの会場で政府やマスメディアの方々に訴えました※2。
                          

※1 森林減少・劣化からの温室効果ガス排出削減(REDD)についての解説
※2 吸収源・REDD等の森林に関連するルール作りについて森林NGOの視点

 


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発表資料/活動・イベント情報
FoE International/FoE Japan発表資料
2009.06.12 【FoE JapanI ブリーフィングペーパー】吸収源・REDD等の森林に関連するルール作りについて森林NGOの視点
2009.06.11 【FoEI ブログ】Japan - 8 percent???
2009.06.10 【FoE Japan プレスリリース】日本の中期目標「90年比−8%」は先進国としての責任放棄
2009.06.05 【FoEI プレスリリース】Climate crisis: Politicians must find just solutions
2009.06.05 【FoEI】 京都議定書特別作業部会インターベンション
2009.06.02 【FoEI プレスリリース】 Carbon offsetting exposed as con

 

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