△テムアンの村にて
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FoE Japanを含むNGOは、パハン・スランゴール導水事業について、日本の融資決定前より、事業の必要性への疑問、森林保護地域の水没、不十分な環境影響調査(EIA)、先住民族の移転問題を含む環境社会影響について懸念を示してきました。
これらのうち、先住民族の移転は、現地で裁判が起こるなど深刻な問題となっています。
この移転問題に焦点をあて、2008年11〜12月、事業の意思決定プロセスへの先住民族の参加、適切な影響緩和策の実施などの状況について、事業の被影響住民である先住民族への聞き取り調査を行いました。
その結果、移転をするか否かは住民自身に選ぶ権利があるにもかかわらず、ほとんどの住民が選択権があることを知らないこと、選択できるなら移転するより今の村に残りたいと思っていること等が明らかになりました。
また、移転に伴う補償政策も、住民の生計手段等の実態と乖離していることもわかりました。
こうした調査結果を踏まえて、FoE Japanは次の3点を提言します。
1.すでに移転の同意書に署名した人も含め、再度、先住民族の各世帯(もしくはコミュニティー)が移転の有無について意思決定できる適切なプロセス(自由意思による、十分な情報を提供された上での意思決定プロセス)を確保した上で、移転の有無を選択してもらうこと。
2.上記のプロセスで、先住民族の各世帯(もしくはコミュニティー)が移転することを選択した場合には、彼らの生活水準が改善、少なくとも回復されるよう、先住民族との十分な協議の下で補償政策の見直しが行なわれること。
3.上記の提言1、2 が確保されるまで、JICA は融資の拠出を行わないこと
詳細はこちらをご覧ください。
>現地調査レポート[PDF・206KB]
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